親善試合が楽しみだ

アーセナルの冨安健洋、シャルケの板倉滉ら日本代表の活躍が伝えられることの多い21-22シーズンだが、スイスのグラスホッパー・クラブ・チューリッヒで活躍する川辺駿は海外1年目で自身の実力をしっかり発揮し、存在感を示している。

今夏の移籍市場でサンフレッチェ広島からグラスホッパーへ加わり、クラブ同士で関係のあるプレミアリーグのウルブズ入りを今冬に決めた。現在はウルブズからローン移籍という形でグラスホッパーに所属しており、今後プレミア入りの可能性を持つ数少ない日本人選手である。

今季の川辺のスイスでの活躍は素晴らしい。初年度ながらここまでリーグ戦では途中出場含めて30試合でピッチに立ち、7ゴール3アシストと10得点に関与している。中盤の選手ながら得点力は素晴らしく、チームで2番目の得点源として攻撃面に大きく貢献している。また、この7ゴールという数字はJリーグ時代を含めてキャリアハイであり、スイスで得点力に目覚めている。

この得点力に表れているように川辺は攻撃を前進させることに長けている。正確なショートパス、ミドルパスでボールを配球し、パスアンドゴーで自身も前に攻め上がる。基本的に川辺はダブルボランチの一角を務めており、川辺のオーバーラップで攻撃に厚みを作る。ボックス内でのフリーランも得意であり、スイスでより多くの得点に絡めているのはこの攻め上がる意識の高さあってこそなのだろう。直近でゴールを決めたローザンヌ戦でもゴールシーンはPKのこぼれ球に詰める形だったが、それ以外のシーンでは積極的な動き出しでスペースに走り込んでいる。

川辺の強みは攻撃への高い意識に加え、守備で武器となる球際の強さを持っている点だ。データサイト『SofaScore』によれば地上戦のデュエル勝利数はチームで2番目の82回を記録。攻守にバランスの取れたボランチとして躍動している。

海外のクラブで目立つ活躍を見せられれば、期待されるのは日本代表への招集である。川辺自身招集歴はあるが、ワールドカップ・カタール大会のアジア2次予選のみであり、最終予選で声はかからなかった。

代表でプレイする際に重視される経験が不足している同選手だが、今の代表は川辺が本職とする中盤に人が足りていない。[4-3-3]のシステムを継続するなら遠藤航、田中碧、守田英正からなる中盤3枚の戦力アップは必須であり、インサイドハーフであればこの川辺が起用できる。

川辺を起用するメリットとしてはやはり、この得点力が挙げられる。田中、守田ともに素晴らしい選手だが、川辺ほどゴールに絡むことはない。川辺はこの決定力に加え、中盤でプレイする際に必須となるバランス力も持っており、6月のブラジル戦含む親善試合で試したい選手の一人だ。