その得点力は衰えていない

今節はブライトンに0-4のスコアで敗れてしまい、マンチェスター・ユナイテッドにはますますネガティヴな空気が流れている。

何よりショックが大きいのは、クラブの英雄でもあるFWクリスティアーノ・ロナウドが復帰しながら来季のチャンピオンズリーグ出場権を逃したことか。37試合を消化して獲得した勝ち点は58。ロナウドだけでなくFWジェイドン・サンチョにDFラファエル・ヴァランまで加えたのだが、昨季の74ポイントから大幅減となってしまった。

これはシーズン中に何度も議論されてきたことだが、果たしてマンUがロナウド復帰へ動いたのは正解だったのかどうか。ロナウドは今季リーグ戦で18得点を挙げており、数字に文句はつけられない。37歳とは思えぬ得点力だ。

ただ、あまり守備面でのハードワークが得意な選手でないのも事実。今季途中より指揮官に就任したラルフ・ラングニック、来季からチームを指揮する現アヤックス指揮官エリック・テン・ハーグの求めるスタイルにロナウドが適合するかどうかは意見が分かれる。ロナウドの存在は劇薬であり、チームバランスを大きく変えるとの見方もある。

しかし、数字の面から見ればロナウドの働きに文句はつけられない。英『Daily Mail』のキーラン・リンチ氏はロナウドよりも中盤に問題があったと振り返る。

「シーズンを通してピッチの両端にいたデ・ヘア、ロナウドがいなかったら、ユナイテッドがどの順位にいたか考えるのは怖い。全コンペティション合わせると今季のロナウドは24ゴール奪っており、これはラッシュフォード、サンチョ、エランガ、グリーンウッド、マルシャル、カバーニの合計を上回る。昨季2位でフィニッシュしたユナイテッドにゴールを量産できるFWが必要だったのは明らかで、短期契約であってもロナウドの復帰は理に適っている。しかし、問題は今夏にも補強が必要とされる中盤の創造性が欠如していたことだ。ロナウドには十分なチャンスが提供されていない」

「最近ロイ・キーンは、ロナウドがチェルシーでプレイしていれば50ゴールは決めたはずと主張した。誇張しすぎかもしれないが、ロナウドがチェルシーやシティ、リヴァプールでプレイしていれば、すでに得点王は決まっていた可能性がある」

どこかロナウドに批判が集まっているようなところもあるが、数字から考えればロナウド批判は間違いだ。それ以上にロナウドをサポートする周囲のポジションをもっと補強すべきなのだろう。

来季テン・ハーグがロナウドをどう起用するかには注目が集まるが、今のチームでNo.1の点取り屋なのは間違いない。年齢は気になるところだが、中盤の創造性さえアップできれば来季もリーグ戦で20ゴール近くは奪えるはずだ。今年は冬にワールドカップ・カタール大会も控えており、この大会に向けてポルトガル代表のロナウドもかなりモチベーションは上げてくるはず。急激に得点数が落ちるシナリオは想像しにくい。

まずは来季トップ4へ返り咲くためにも、ロナウドの得点力を活かしつつ将来への基盤を固めていきたい。今夏の補強が重要なのは当然のことで、テン・ハーグのビジョンに沿った補強が展開できるか注目される。