相手に合わせて柔軟に対応できる

先日のリーズ・ユナイテッド戦は2-1での勝利となったアーセナル。序盤にエディ・エンケティアの2ゴールでリードを広げ、終盤は危ないシーンもあったが、なんとか逃げ切り4連勝を記録している。

日本代表の冨安健洋は前節ウェストハム戦から続いての先発となった。前節は自ら交代を要求するなど怪我の再発も危ぶまれたが、リーズ戦では特に問題もなく先発となった。そんな冨安だが、このリーズ戦では右サイドバックでもセンターバックでもなく、左サイドバックでの出番となった。

この左SB起用は以前ミケル・アルテタ監督が会見で示唆しており、このリーズ戦で実現することになった。アルテタ監督の考えとしてはやはり、相手のエースであるハフィーニャを封じるために起用されたのだろう。本来であればヌーノ・タヴァレスだが、守備に不安を抱えており、そこで守備に安定感のある冨安が左で起用されたと考えられる。

この采配は大当たりだった。対峙するハフィーニャはバルセロナが獲得を目指すレベルの選手であり、今季けが人が続出したリーズの中で10ゴールを挙げる孤軍奮闘ぶりを見せている。冨安はそんなハフィーニャを封じており、前半にルーク・アイリングが退場になってからはより楽に守備を行えるようになった。また、持ち上がった際には効果的なパスを供給しており、2本のキーパスを記録している。

冨安の左をオプションとして確立できればSBの選手層はより厚くなる。冨安はリーズ戦のように相手のエースと呼ばれる選手を封じることができる。以前までは相手から見て左サイドの選手と対峙することが多かったが、左SBでプレイ可能となればハフィーニャのように相手から見て右サイドのエースとも対峙ができる。相手に対して適宜対応できるカスタマイズ性は素晴らしく、それはプレミアでも屈指のものだろう。

冨安のこのユーティリティ性は日本代表でも発揮されることになるか。サムライブルーではセンターバックでの起用が主だが、右SB、左SBで使われるようになれば、アーセナルと同じく相手に合わせて冨安のポジションを変えられる。例えば6月に開催されるブラジル代表との親善試合ではヴィニシウス・ジュニオールやネイマール対策がしたければ右SBに、ハフィーニャ対策に重きを置く場合は左SBと対策したいサイドに配置すればある程度の守備力は計算できる。板倉滉の台頭も冨安サイド起用を後押ししており、未招集だがシュツットガルトの伊藤洋輝の存在もそうだ。

長く怪我で離脱しており、代表での活動も危ぶまれていた冨安だが、リーズ戦のパフォーマンスを見る限り問題はなさそうだ。クラブでは残り3試合、代表では6月の親善試合と活躍の場は用意されており、冨安のカスタマイズ性能がどう生かされるのか注目したい。