たびたび大物の移籍が噂されるMLS

ヨーロッパで活躍したキャリア晩年の選手が最後の一花を咲かせるために向かう場所で、最もポピュラーなのはアメリカのMLSだろう。つい先日、MLSプレイヤー協会によって、2022年春夏の選手たちの給与が発表された。

1位は今冬にオリンピック・リヨンからシカゴ・ファイアーへと移籍した、スイス代表ジェルダン・シャキリ。基本給735万ドルで、場合によっては最大815万ドルまで上がるようだ。

スペイン『AS』によれば、このシャキリの給与は、2019年シーズン終了時にズラタン・イブラヒモビッチがLAギャラクシーから受け取っていた720万ドルを上回り、歴代トップの金額になるという。しかし、このシャキリのトップも束の間、今夏からのトロントFC入りが決まっている現ナポリのロレンツォ・インシーニェは、4年契約で少なくとも年1250万ドルを受け取る契約となっているようだ。

MLSにはサラリーキャップ制度という支払い制限があり、資金力のあるクラブが極端に大物選手を獲得するといったことはある程度阻止されている。それでもシャキリやインシーニェがこれだけの高給をもらえるのは、特別指定選手契約という2007年に導入された制度のおかげだ。

特別指定選手制度は、各クラブ最大3名まで支払い上限なしで選手を獲得できるという制度だ。初めてこの制度を使ったのはロサンゼルス・ギャラクシーで、2007年にレアル・マドリードからデイビッド・ベッカムを獲得している。

ヨーロッパで活躍した大物選手がMLSへと移籍する際は大体この制度が適用されている。この制度を使って獲得する選手にどれだけ高年俸を払えるかが、目に見えて現れるクラブ間の経済格差となっている。

過去にはデイビッド・ベッカムやイブラヒモビッチ、カカーなどといった数々の超ビッグネームが在籍していたMLSだが、シャキリやインシーニェの給与は彼らを上回っており、特別指定選手に払う給与が高騰する傾向がある。このまま特別指定選手に払う給与が上がっていけば、大物がMLSへ移籍する流れはさらに加速していくはず。ゆくゆくは30代前後の選手ばかりでなく、より脂の乗った20代のスターが集まるリーグへと成長していく可能性も秘めている。