見事な大勝となった

Jリーグ第15節では波乱が起きた。昨季のリーグ王者である川崎フロンターレが、昨季16位とギリギリで降格を回避した湘南ベルマーレに0-4で敗れたのだ。今季の川崎は以前のような圧倒的な強さはないが、堅実に白星を積み上げるチームであり、湘南戦を除く直近5試合ではクリーンシートをマークしていた。

このジャイアントキリングを起こした湘南が見せたのは、中盤での激しい球際の寄せとそこから繰り出されるショートカウンターだ。

特に中盤でのプレッシングは素晴らしかった。前線の大橋祐紀や町野修斗、中盤では石原広教、タリク・エルユヌシ、畑大雅らが積極的に相手のビルドアップに強い圧力をかけており、川崎はこのプレッシャーをかいくぐれず自分たちの時間を作ることができなかった。ボール支配率が60%、70%になることが多い川崎だが、このゲームでは53%と低い。谷口彰悟、ジェジエウと本来のセンターバックがいなかったとはいえ、ボールを前進させることに苦労していた。

湘南の攻撃面では好調の町野の決定力が光った。2020年から湘南でプレイしているFWでヴィッセル神戸戦で2ゴール、続く川崎戦でも2ゴールと2試合で4ゴールをマークしている。すでに今季6ゴールを決めており、J3時代に記録したキャリアハイの8ゴールを今季は更新できそうだ。

後半にはプレッシングで疲労している前線と中盤を総入れ替えし、強度を落とさなかったのも勝因の一つだ。交代でピッチに投入された瀬川祐輔と山田直輝はイエローカードを貰ってしまったが、それだけ球際の強さを監督が求めている証拠であり、後半も相手に流れを掴ませず、4-0と完璧な勝利を勝ち取った。

走行距離117km、スプリント数192回と2つのスタッツで湘南が上回っている。特にゴールこそなかったが、前線で器用さを見せた大橋と中盤で躍動した石原がともに23回でスプリント数ではチームトップを記録。走力を求められるウイングバックでは畑大雅が彼らに続く22回をマークしており、走りで川崎を圧倒した。

1-4と敗れた横浜F・マリノス戦も川崎戦同様に前からの積極的な守備を行った湘南。その試合では残念ながらプレスをかわされることになってしまったが、川崎戦ではより強度を高め、ポゼッションスタイルの相手を打ち破った。神戸戦に続いての勝利であり、次節ホームでセレッソ大阪を倒して今季初のリーグ戦3連勝を記録することはできるのだろうか(データは『Jリーグ公式』より)。