印象的なシーズンだった

今季は大型補強を敢行し、新シーズンを迎えたアーセナル。開幕から3連敗と苦しい状況に追い込まれるも、補強組がフィットし、前半戦は躍進することに。しかし、終盤トーマス・パルティら主力を怪我で欠き、クリスタル・パレス、ブライトン、サウサンプトンと中堅クラブとの3連戦でまさかの3連敗。それでも、続くチェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムとの上位陣3連戦では3連勝と安定感のなさは今後の改善点としたい。最終的には5位とCL出場権は掴めなかったが、EL出場権を手に入れ一歩前進するシーズンとなった。

英『The Athletic』では今シーズンのアーセナルを振り返っており、最大のサプライズとして冨安健洋の名前を挙げている。

8月31日の移籍市場最終日にアーセナルにやってきた冨安。アーセナルのライバルであるトッテナム行きの話もあったが、最終的にはミケル・アルテタ監督率いるアーセナルが獲得することに。冨安がプレミアリーグに与えた衝撃はチームへのフィットの早さと落ち着き、守備強度の高さ、万能性にある。

プレミアは他リーグから移籍する際に適応の難しいリーグといわれているが、冨安が4節ノリッジ・シティ戦で初先発すると、その後は出場を続け右サイドバックとして不動の地位を築いた。相手のプレッシャーに動じない冷静さを持った選手であり、右サイドに安定感をもたらしている。

シーズン終盤戦は冨安の万能性が光ることに。右サイドバックだけでなく、左サイドバックやセンターバックと最終ラインであればどのポジションでもこなすようになった。ポジションを変えることになれば多少感覚のズレが生まれてしまうものだが、冨安はそれを感じさせないパフォーマンスを攻守両面で披露している。

残念だったのは怪我での離脱だ。ふくらはぎの負傷で計9試合を欠場している。その際はセドリック・ソアレスが代役を務めてくれたが、守備の面ではその穴を埋めることはできなかった。アーセナルの今後の補強次第ではあるが、冨安をシーズン通して起用できる選手と計算するのは少しリスクが高いかもしれない。

現状世界最高峰とされるプレミアリーグで通用することを証明した冨安。まだ23歳というのが驚きであり、これからどのような選手に成長するのか注目だ。