レアルの[4-3-3]でどう活かすか

サッカー界は時代を重ねるごとにスピード感が増しており、プレイのテンポはかなり速くなった。日本代表でも右サイドでは高速の伊東純也、左サイドでも一瞬のスプリントで相手DFを置き去りにできる三笘薫が起用されており、現代のウイングにスピードは必須だ。

では、爆発的なスピードを持たないアタッカーはどうすればいいのか。レアル専門メディア『The Real Champs』が注目したのは、レアル・マドリードに所属するスペイン代表FWマルコ・アセンシオだ。

若い頃より注目されていたアセンシオは足下の技術も高く、その攻撃センスはトップクラスだ。天才肌の選手と言っていい。しかし、同メディアはレアルが求めるウイング像には合っていないと指摘。より輝きを放つには、レアルを離れるべきとの意見だ。

確かにレアルの左サイドではスピードある突破を武器とするヴィニシウス・ジュニオールが1番手になっており、右には同じブラジル人FWのロドリゴ・ゴエスがいる。アセンシオのプレイスタイルは攻守の素早い切り替えによるサイドのアップダウン、高速カウンターに適していないと見られているのだ。

以前レアルにはハメス・ロドリゲスが在籍していたが、同じレフティーのアセンシオもトップ下のように中央で創造性を発揮する役割の方が合っているタイプではないか。レアルがトップ下を置かない[4-3-3]をメインシステムとしていくならば、アセンシオの良さを100%引き出すのは難しいのかもしれない。

同メディアはアセンシオのことを王様タイプと表現する。ビッグクラブでプレイするのもいいが、中堅クラブで絶対的な攻撃の司令塔になる方が個性を発揮しやすい可能性もある。

同じレフティーとして気になるのは、レアルからマジョルカにレンタル移籍していた日本代表MF久保建英か。久保も1対1での突破を得意としているが、爆発的なスピードを持っているタイプの純粋なウイングではない。アセンシオと同様に、レアルの[4-3-3]にマッチするアタッカーかは議論が分かれるだろう。堅守速攻より、ボール保持率を高めるスタイルの中でピッチ中央から創造性を発揮する方が向いているか。

レアルには他にもイスコが在籍しているが、アセンシオと同じくテクニックのレベルは極めて高い。しかし、現代サッカーで爆発的スピードを持たない選手はやや活かしづらくなってきている側面がある。トップ下を置かないチームも多く、インサイドハーフに入る場合は守備の負担も背負わなければならない。これもアセンシオやハメス、かつてレアルに在籍したメスト・エジルといったタイプには向いていない役割と言える。

どんどんスピードアップし、フィジカル要素が強くなっていくサッカー界で司令塔タイプはどう生き残っていくのか。これは日本人アタッカーが世界で戦っていくうえでの課題でもあり、伊東純也のようなスピードタイプが日本代表のキーマンになっているのも世界的トレンドと無関係ではない。

爆発的スピードがなければ成功できないわけではないが、自身の強みを活かせるチーム選びは慎重に進めていく必要があるだろう。