マネ加入で広がる選択肢

2010年代のバイエルンを引っ張っていた攻撃デュオといえば、やはりアリエン・ロッベンとフランク・リベリだろう。右のロッベン、左のリベリの突破力は対戦相手の脅威となっており、当時のサッカー界では最も豪華なウイングデュオだったと言ってもいい。

ブンデスリーガは毎シーズンのように制しているが、その中でもユップ・ハインケスが指揮した2012-13シーズンのバイエルンを近年最強に推す人も多い。ロッベン、リベリの突破を軸に、攻守の切り替えも素早いとんでもなく完成されたチームだった。

その再現は起こるだろうか。今夏にリヴァプールからサディオ・マネを加えたバイエルンは、またもワイドな位置に強みを持つチームに仕上がりそうな気配だ。

マネはドリブルにこだわるタイプの選手ではないものの、左サイドを中心にスピードに乗ったプレイから得点を奪えるワールドクラスのアタッカーだ。

同じ左ではキングスレイ・コマン、レロイ・サネ、右にはセルジュ・ニャブリ、そして左サイドバックに入る機会が多いアルフォンソ・デイビスも見逃せない。

単純な突破力なら、アタッカー陣ではコマンが上か。2021-22シーズンは1試合平均2.3回のドリブルを成功させており、これはサネやニャブリ、さらにワイドな位置に入れるジャマール・ムシアラの1.9回を上回る。

それ以上に恐ろしいのはサイドバックのデイビスで、2021-22シーズンはチームトップとなる80回のドリブルを成功させている。マネが中へ切り込み、外をデイビスが駆け上がってくる攻撃パターンは想像するだけでも恐怖だ。

右のニャブリも2021-22シーズンはデイビスに次いで多い63回のドリブルを決めており、ゴール前に顔を出して得点に絡むなど柔軟性を併せ持つ。仮にロベルト・レヴァンドフスキがチームを去る場合、ニャブリを中央に入れるのも悪くないだろう。

レヴァンドフスキが抜ければ攻撃力は大幅ダウンとなるが、マネの加入でサイドの威圧感は増した。また世界屈指のウイング集団が完成する気配があり、ワイドなエリアを中心とした攻撃がどこまでフィットするのか今から楽しみだ(数字は『WhoScored』より)。