とくに左サイドが大きく変わる

昨季の夏の移籍市場はジャック・グリーリッシュ獲得のみに終わったマンチェスター・シティ。目立った放出はセルヒオ・アグエロくらいで、20-21シーズンを戦ったメンバーが軸となって21-22シーズンに臨んだ。結果はプレミアリーグ優勝、CLベスト4と好成績を残し、シーズンを終えた。

22-23シーズンはそんな昨季とは違い大きくメンバーが変わることになりそうだ。まず前線ではラヒーム・スターリングとガブリエウ・ジェズスが退団した。リヤド・マフレズのような絶対的な選手ではなかったが、怪我せずチームを支えることができたバックアッパーであり、昨季は彼ら2人で51ゴールが生まれている。

代役はアーリング・ハーランドとフリアン・アルバレス、コール・パルマーの3人だ。ハーランドは若手世代では最高のストライカーであり、チームが求めてきた人材である。アルバレスも同様のストライカーで、欧州での経験はないが、ジョゼップ・グアルディオラがベタ褒めする人材である。パルマーはフィル・フォーデンに続く存在として期待されるアカデミー出身の生え抜きで、来季はマフレズのバックアッパーという立ち位置になる。

前線は問題なさそうだが、気になるのは最終ラインだ。昨季はバックラインに怪我人が続出し、本来はアンカーを務めるフェルナンジーニョがサポートに入ってギリギリローテーションができていた。しかしその大ベテランは退団しており、来季彼のサポートは受けられない。

最終ラインではネイサン・アケがチェルシーに、オレクサンドル・ジンチェンコがアーセナルに行く可能性がある。これが実現すればフェルナンジーニョ含む計3人が抜けることになり、昨季8人でローテーションしていた最終ラインが5人にまで減ってしまう。

ジンチェンコの代役としてはブライトンのマルク・ククレジャが候補に挙がっている。3バックの左もできる左サイドのスペシャリストであり、怪我も少ないため彼を獲得できれば最終ラインの左は大きくパワーアップするはずだ。

アケの代役としては多くの名前が挙がっており、英『SPORT BIBLE』ではビジャレアルのパウ・トーレスとセビージャのジュール・クンデがリストアップされたと報じている。トーレスはユヴェントス、クンデはバルセロナとの争奪戦を制す必要があり、交渉が長引く可能性がある。

もしトーレス、クンデのどちらかを獲得できれば最終ラインの戦力が7人となり、そこにDFルーク・ムベテ・タブやDFウィルソン・エスブランドといった若手を加えれば問題なくシーズンを戦えるといえるが、ルベン・ディアス以外のアイメリック・ラポルト、ジョン・ストーンズ、アケの3人のCBが移籍後、怪我などの理由で苦戦した過去を考えればそう簡単に行くとは思えない。またトーレスやクンデなど目星をつけた選手を誰も獲得できない可能性もあり、アケとジンチェンコの同時放出は思ったよりもリスクが高いかもしれない。

ペップ就任後、莫大な資金を費やしてきたシティの最終ライン。シーズンを通して安定した昨季や一昨季は好成績を残しているが、ディアス加入前の不安定なディフェンスラインを考えれば、ここで大きく手を加えるのは悪手のように感じてしまう。