ファン・デ・ベークはレギュラーの座を掴めるか

MFブルーノ・フェルナンデスに加え、MFクリスティアン・エリクセンの加入で攻撃的MFの厚みが増したマンチェスター・ユナイテッド。ここで気になるのが、トップ下としてもボランチとしても機能するセントラルMFドニー・ファン・デ・ベークの立ち位置だ。

2020年夏にアヤックスから加入し、マンUで2シーズンを過ごしたファン・デ・ベーク。しかし、これまでは主力としての地位を確立することができず、昨季は後半からエヴァートンへローンで移籍していた。

ところが今季からは、アヤックス時代の恩師であるエリック・テン・ハーグ監督がマンUの指揮官に就任。ファン・デ・ベークにとってはこれが追い風になると見られており、プレシーズンのリヴァプール戦やメルボルン・ヴィクトリー戦ではB・フェルナンデスに代わり、後半の45分をトップ下としてプレイした。

そして直近のクリスタル・パレス戦でも、リヴァプール戦やメルボルン戦と同様、主力組をスタメンで起用したテン・ハーグ監督。しかし今回はハーフタイムで大幅にメンバーを入れ替えることはせず、ただ一人、MFスコット・マクトミネイに代えてファン・デ・ベークを後半頭から投入した。

これまでの2戦ではトップ下を務めたファン・デ・ベークだが、今回はそのままマクトミネイのいた[4-2-3-1]のボランチに入った。しかし、彼は状況に応じて自らのポジションを上げ、トップ下のB・フェルナンデスと並ぶような形で、[4-3-3]のインサイドハーフ的な立ち居振舞も随所に見せていた。

この彼の動きが最も効果的だったのが、後半開始直後の48分。自陣低めの位置で前線にロングフィードを送ったフェルナンデスに代わり、ファン・デ・ベークがFWジェイドン・サンチョやFWアントニー・マルシャルと連動しながらボックス内に侵入。見事な流れからFWマーカス・ラッシュフォードのゴールをアシストした。

この試合では66分で主力たちがお役御免となり、ここからMFジダン・イクバルやMFチャーリー・サヴェージといった若手選手たちが出場。ファン・デ・ベークはここでポジションを移し、これまでの2戦と同様にトップ下を務めた。

ファン・デ・ベークの良さを最大限に引き出すなら、今回の試合のように、お互いを補完し合うことができるフェルナンデスとの同時出場が理想的。[4-3-3]であれば、フェルナンデスやエリクセンとインサイドハーフで並ぶことができるのだが、MFフレッジやマクトミネイにアンカーを任せるのは微妙なところ。

この3戦を見る限り、テン・ハーグ監督も基本的には[4-2-3-1]を軸に考えているようで、恐らくフェルナンデスがトップ下の一番手であることは変わらない。エリクセンの加入や守備的MFの層が薄いというチーム事情を踏まえると、ファン・デ・ベークは今回のようにボランチとしてのタスクをこなしながら、流動的にポジションを上げるのがベスト。そういった意味でも今回のクリスタル・パレス戦は、テン・ハーグ監督とファン・デ・ベークにとって収穫の多い試合となったはずだ。