層が厚くなった

近年結果を残しているチームの共通点はいくつかあり、その一つはどれだけ能力の高いセンターバックを補強できるかだ。プレミアでいえばここ5シーズンで4度リーグタイトルを獲得したマンチェスター・シティはルベン・ディアスをはじめ各国代表級の選手を4人集めている。それまでにニコラス・オタメンディやエリアカン・マンガラらも補強しており、近年でCBにかけた額は間違いなくシティがトップだろう。

昨季5位でフィニッシュしたアーセナルもベン・ホワイトの獲得がチームの躍進を支えた一つの要因だといえる。ブラジル代表のガブリエウ・マガリャンイスとのコンビは強力であり、昨季の鉄板であった。しかし3番手とされるロブ・ホールディングのパフォーマンスは気になる点が多く、昨季のノースロンドンダービーでは前半で退場してしまっている。

そんなアーセナルだが、この夏に新たなCBをチームに加えた。ウィリアム・サリバのことだ。2019年からアーセナルに所属していた守備者で、昨季まではリーグ・アンに武者修行に出されていた。そのマルセイユで高いパフォーマンスを披露しており、現在はアーセナルのトップチームに帯同してプレシーズンマッチを戦っている。

ここまで4連勝中のプレシーズンマッチではサリバは3試合に出場しており、評価は非常に高い。4-0と快勝したチェルシー戦ではマガリャンイスと共に先発しており、クリーンシートに貢献している。

新シーズンはおそらく、ホワイト、マガリャンイス、サリバの3人で2つのCBの座を争うことになるだろう。3選手共に能力が高く、彼らにホールディングを加えた4人であればリーグ戦と並行してELを戦うことができる。CBに競争力が生まれ、さらなる成長が見込める。

サリバが戻ってきたことによってホワイトを右SBとして使うことができるようになった。右SBは冨安健洋が1番手だが、怪我の影響もあってまだまともにプレイできていない。トレーニングには復帰予定のようだが、再発も考えれば起用は慎重になったほうがいい。

「彼のプレイ、チームへの適応、21歳で彼が示した成熟度を見ることができて本当に嬉しい」

英『The Athletic』にてアーセナルの指揮官であるミケル・アルテタはサリバのここまでのパフォーマンスを称賛している。まだシーズン前ではあるが、アーセナルでも守備者として通用することを証明しており、確実に選手層は厚くなった。

昨シーズンの後半は怪我人の続出もあり、失速が目立ったアーセナル。それでも守備陣はサリバやオレクサンドル・ジンチェンコが加わり、リーグ戦と並行してELも戦えるチームは出来上がりつつある。