若手の市場価値が上がり続けている

お金をかけるだけが有効な補強策ではない。現在のサッカー界で理想的なクラブの1つになっているのがミランだ。

今夏はクラブ・ブルージュからベルギー代表MFチャールズ・デ・ケテラエルを3200万ユーロで引き抜いたが、この金額でも近年のミランでは高額に感じてしまうほどだ。

伊『Gazzetta dello Sport』もミランの若手を一流選手へ育てながらタイトルを獲得していく一連の流れを絶賛しているが、今のミランのキーワードは育成だ。獲得した選手の市場価値が急上昇しているのが最大の特長と言える。

中でもビッグヒットとなったのが22歳のDFピエール・カルルだ。2020年冬にリヨンから獲得した時、カルルの市場価値は僅か50万ユーロだった。それが今では2800万ユーロまで跳ね上がっており、一躍トップレベルDFと認められるようになった。

相棒のフィカヨ・トモリはチェルシーから2880万ユーロで獲得された選手だが、今では市場価値は5000万ユーロだ。そこまで安価で獲得された選手ではないものの、ミランで大きく評価を伸ばしている点は同じだ。パフォーマンスから考えれば、移籍金も安く感じられる。

1440万ユーロで獲得した守護神マイク・メニャンも1年前の市場価値2500万ユーロから1000万アップの3500万ユーロとなり、ワールドクラスのGKの仲間入りを果たした。

爆速の左SBテオ・エルナンデスも獲得当初の市場価値は1900万ユーロだったが、今では5500万ユーロまでアップ。ミラン移籍から大きく化けることになった。

クラブのアカデミーから出てきた右サイドバックのダヴィデ・カラブリアは一時期伸び悩んだところもあり、2020年時点の市場価値は1000万ユーロだった。しかし今では2500万ユーロまで上昇しており、クラブの顔となりつつある。

ブレシアから690万ユーロで獲得したMFサンドロ・トナーリも当初から評価は高かったが、今では市場価値5000万ユーロだ。イタリアの中盤を背負っていく逸材へと成長しており、今季もそのパフォーマンスが待ち切れない。

そしてクラブで最高額の評価を得ているFWラファエル・レオンだ。こちらは獲得当初の市場価値が2200万ユーロだったが、今では7000万ユーロだ。すっかりスーパースターであり、この逸材をリールから2950万ユーロで引き抜いたのは大正解だった。

昨季スクデットを獲得できるとは予想されていなかったが、若手の急成長は予想できないものだ。昨季のミランはまさにそのパターンで、育成を進めながら勢いでスクデット獲得までたどり着いてしまった。昨季の成功は選手はもちろん、フロントも自信を深めたことだろう。今後もこの流れは続いていくはずで、今のミランは5大リーグの中でも1、2を争う理想的なサイクルに入っていると言ってもよさそうだ。