大きく動いた夏となった

22-23シーズンの夏の移籍市場が閉幕した。冬の移籍市場まで選手間の移動はなく、今の体制でシーズン前半を戦い抜くことになる。今季もそうだが、移籍市場の最終日であるデッドラインデイでは大きな動きがあった。

『アーセナル』
アーセナルは8月終盤にモハメド・エルネニー、トーマス・パルティの守備的MFが怪我で離脱し、中盤戦士を求めていた。それは以前から話題に挙がっていたレスター・シティのユーリ・ティーレマンスではなく、アストン・ヴィラのドウグラス・ルイスだった。ブラジル代表にも選ばれている実力者で、英『football.london』によると、アーセナルは最終日にヴィラに3度のオファーを提示したようだ。しかし2000万ポンドのオファーは拒否され、移籍市場は閉幕している。

アーセナルは5日のマンチェスター・ユナイテッド戦をエルネニー、パルティを欠いて戦うことになる。直近のヴィラ戦は若いアルベール・サンビ・ロコンガで問題なかったが、ユナイテッド戦は強度不足が散見されるかもしれない。

『チェルシー』
チェルシーは以前から報じられていたピエール・エメリク・オバメヤンをバルセロナから獲得した。待望のストライカーであり、攻撃陣に足りていないピースとなるだろう。ただ33歳と若くなく、プレミアのプレイスピードの中でバルセロナ時代の輝きを披露できるかはまだ分からない。

中盤ではユヴェントスからデニス・ザカリアをローンで獲得した。移籍市場に精通しているファブリシオ・ロマーノ氏によると3000万ポンドの買い取りオプションが付随しているという。チェルシーではエンゴロ・カンテが負傷し起用できない状態にあり、その穴埋めだろう。191cmと恵まれた体格を持っており、プレミアへの適応さえ問題なければ即戦力として期待できる。

放出でいえばマルコス・アロンソがチームを離れた。チェルシーはマルク・ククレジャを獲得しており、左サイドはベン・チルウェルとククレジャの2人で問題ないか。

『リヴァプール』
移籍市場の終盤に中盤の補強を目指したリヴァプールはユヴェントスからアルトゥールを期限付き移籍で獲得した。バルセロナで名を揚げた中盤戦士であり、ユヴェントスでは出場機会を得られていなかったが、中盤に怪我人が続出したリヴァプールが獲得に手を挙げた。

キープ力、パスセンスが光るチアゴ・アルカンタラタイプであり、怪我で離脱しているスペイン代表MFの代役としてプレイタイムが与えられるだろう。しかし守備強度に難があり、改善が必要となる。

『マンチェスター・シティ』
ジョゼップ・グアルディオラ率いるシティはボルシア・ドルトムントからマヌエル・アカンジを獲得した。ネイサン・アケ、アイメリック・ラポルトとセンターバック陣に怪我人が続出しており、経験値豊富で比較的安価なアカンジが獲得された。

CBの例年の稼働率、ワールドカップ・カタール大会の影響を考えれば的確な補強だといえる。7日からCLのグループステージも始まることになり、過密日程が続く。チームの根幹を支えるCBは重要なポジションであり、そこにアカンジを加えられたことは大きいだろう。

『マンチェスター・ユナイテッド』
エリック・テン・ハーグが就任したユナイテッドは新たなGKとしてマルティン・ドゥブラフカを獲得した。買い取りオプション付きのローン移籍で、ダビド・デ・ヘアとポジションを争うことになる。デ・ヘアはセービングこそ素晴らしいが、ビルドアップでの貢献やディフェンスラインの裏を突くロングボールへの対応はまだまだであり、ドゥブラフカのパフォーマンス次第では守護神交代もあるだろう。

移籍市場最終日のBIG6の動きはこの辺りになる。最終日ではなく終盤まで範囲を広げればチェルシーがレスター・シティからウェズレイ・フォファナ、マンチェスター・ユナイテッドがアヤックスからアントニーを獲得している。どちらも100億円越えの大型補強であり、その分プレッシャーは大きい。

プレミアでの上位争いは現状無敗のアーセナルとシティとトッテナムが抜けている。すでに黒星を喫している3クラブは何らかの問題を抱えており、移籍市場の終盤でその問題を解決する術を獲得できたのだろうか。