攻撃陣がもう少し機能していれば……

一昨季のチャンピオンズリーグ制覇から約1年。チェルシーを欧州制覇へ導いた指揮官トーマス・トゥヘルは今月7日に解任されることになった。

やや厳しい判断にも思えたが、トゥヘル体制が行き詰まった原因はどこにあるのか。ポイントの1つには、やはりFW陣の得点数が思うように伸びなかったことが挙げられる。FWロメル・ルカク、ティモ・ヴェルナーは目玉プレイヤーだったが、どちらも今夏にチェルシーを離れた。

他にもクリスティアン・プシリッチ、ハキム・ツィエクなどタレントは揃っていたが、いずれもトゥヘル体制の主役にはなりきれなかった。昨季のチェルシーはリーグ戦を3位で終えているが、得点数は76点。少なくはないが、やはり2位リヴァプール(94ゴール)、優勝したマンチェスター・シティ(99ゴール)と比較すれば数字は落ちる。

ルカクやカイ・ハフェルツ、ヴェルナーといった各国代表クラスのアタッカーを揃えながら、昨季プレミアリーグで二桁ゴールを奪ったのがMFメイソン・マウント1人というのはあまりに寂しい。ヴェルナーにいたっては4ゴールでシーズンを終えている。

チェルシーは引き分けの数が11もあり、英『Daily Mail』も攻撃陣がもう少し調子を上げていればトゥヘルを助けることになったのではないかと振り返る。昨季も守備はまずまず安定していただけに、大金を投じた前線のFW陣がヒットしなかったのが痛かった。攻撃改革は後任のグレアム・ポッターにとっても大きな課題となるだろう。

さらにもう一つ。ここ最近怪我の目立っているMFエンゴロ・カンテについてだ。

中盤の守備を引き締める役割はもちろん、縦へ推進力もプラスするカンテは欠かせない存在だが、今季も怪我で離脱してしまった。これもトゥヘルにとっては痛手となったはずだ。

中盤にはクリスタル・パレスへのレンタル移籍から戻ってきたコナー・ギャラガーもいるが、8月のレスター・シティ戦で退場処分を受けてしまうなど守備面には不安も残る。

怪我がちだったカンテの負担をカバーする守備的MFを今夏に加えることが出来なかったのも、今季序盤戦で躓いた要因の1つか。アンドレアス・クリステンセン、アントニオ・リュディガーと最終ラインに退団者も出ることになり、自慢の守備が崩れてしまった。

今夏にマルク・ククレジャやピエール・エメリク・オバメヤン、カリドゥ・クリバリ、ラヒーム・スターリング、ウェスレイ・フォファナなど実力者を加えているだけに今の結果は寂しいが、後任のポッターは状況を変えられるだろうか。