劇的な展開となった
2日、FAカップ5回戦マンチェスター・ユナイテッド対ウェストハム・ユナイテッドの試合が行われた。先日カラバオカップを制したばかりのマンUはスタメンを半分近く変更。DFハリー・マグワイアやDFヴィクトル・リンデロフ、MFスコット・マクトミネイ、MFマルセル・ザビッツァー、FWアレハンドロ・ガルナチョなどが先発出場した。
一方のウェストハムは守護神ウカシュ・ファビアンスキやDFヴラディミール・ツォウファルが負傷のためメンバー外となり、攻撃のキーマンであるFWジャロッド・ボーウェンもベンチスタート。ゴールマウスはGKアレフォンス・アレオラが守った。
先にゴールに迫ったのはホームのマンU。6分、マクトミネイが右サイドからドリブルで切り込むと、中央にいたFWボウト・ベグホルストにパス。彼からの落としを受けたザビッツァーが良いシュートを放ったが、ここはアレオラにセーブされた。
その後もガルナチョのシュートなどが枠内に飛んだが、ウェストハムにそれ以上の絶好機が訪れる。23分、FWマイケル・アントニオがスルーパスに抜け出しGKダビド・デ・ヘアと1対1に。彼のシュートは最後まで粘ったデ・ヘアに右手一本で防がれた。
両チームともにゴール前までは辿り着くが、決め手に欠くという時間が続く。38分にはアントニオが右から切り込み、左足でグラウンダーのシュート。ここはデ・ヘアがセーブした。41分のガルナチョのシュートも枠を捉えず、0-0のまま前半は終了した。
マンUは後半頭から動いてきた。イエローカードをもらっていたマクトミネイを下げてMFカゼミロを投入。51分には中央を上がったカゼミロが早速チャンスを作り出し、ベグホルストのシュートに繋げた。
ところが先にスコアを動かしたのはウェストハムだった。54分、エリア内でボールを受けたFWサイード・ベンラーマがゴール右隅にシュートを決め、先制点をゲット。追う立場になったマンUは58分にFWマーカス・ラッシュフォードとDFリサンドロ・マルティネスをピッチに送り出した。
しかし63分、ウェストハムに追加点のチャンスがやってくる。アントニオが独力で左サイドから切れ込み右足でシュート。ここでもデ・ヘアが立ちはだかり、マンUは事なきを得た。
攻勢を強めるマンUは、カゼミロやラッシュフォードが積極的にシュートを打つがいずれも決まらず。72分にはB・フェルナンデスのFKにカゼミロが頭で合わせ、同点ゴールが決まったかに思われたが、VARの介入によりオフサイドの判定となった。
ウェストハムは74分にこの試合最初のカードを切り、ボーウェンを投入してきたが、その後の77分にマンUが意地の同点ゴールを奪う。B・フェルナンデスがCKから中央へボールを送り込むと、DFナイエフ・アゲルドがオウンゴール。スコアは1-1となった。
マンUの勢いは止まらず、90分に逆転に成功する。ベグホルストのシュートのこぼれ球をエリア内左でガルナチョが拾うと、ゴール右隅にカーブシュートを突き刺す。18歳の若手が最終盤でチームを救った。
そして後半アディショナルタイムには途中出場のMFフレッジがダメ押しのゴールを決め、3-1でマンUが勝利。FAカップベスト8進出を決めた。ウェストハムのリード時にはカラバオカップを制したマンUの勢いがここで止まるかに思われたが、チーム一丸となって逆転できたことは非常に大きいだろう。