リーグのイングランド人選手減少を嘆く声も

欧州ではEURO2024予選グループステージが始まる。イングランド代表は24日にイタリア代表と初戦を戦うことになっており、主に国内から代表選手が選出された。W杯に参加できなかったリース・ジェイムズ、ベン・チルウェルらの復帰、ラヒーム・スターリングの招集外などがあったが、おおむね驚きのない選出だったといえる。

そんななか、ガレス・サウスゲイト監督の発言が英メディアで話題となった。「プレミアリーグでは、イングランド人の数が急速に減少している」「特定のポジションでは厚みが不足している」と語ったサウスゲイト監督は、プレミアリーグでの先発選手のうち、イングランド人が28%しかいなかったケースが直近数試合のうちに起こっていることを挙げ、「チャンピオンシップや他の場所を探し始めるだろう」と、プレミアリーグで活躍するイングランド人の減少を嘆いた。

イングランドには、国外リーグで活躍する才能も多い。あまり注目されないのが寂しいところで、どうしても英プレミアリーグからの選考に偏りがちになり、サウスゲイト監督はたびたびそのことを指摘もされてきた。英『Daily Mail』では、「海外でプレイする選手たちはどうだ?」と、リーグ・アン、セリエA、エールディヴィジなどで活躍する面々を挙げ、サウスゲイトに国外にも目を向けるよう促している。

代表格はACミランのDFフィカヨ・トモリだ。最終ラインで欠かせない1人となっており、負傷離脱がありながら今季はリーグ24試合に出場(うち23試合先発)。一方マンチェスター・ユナイテッドで出番を失うハリー・マグワイアが11試合出場(うち5試合先発)で選ばれていることを考えると、なぜトモリが選ばれないのかという疑問が出るのも無理はない。

そのほか、同メディアではフランスのスタッド・ランスで今季17ゴールを挙げるアーセナル所属のFWフォラリン・バログン、ユヴェントス期待の若手サミュエル・イリング・ジュニオール、ローマで熟練のCBとなったクリス・スモーリング、同じくローマからFWタミー・エイブラハム、オランダのPSVで頭角を現す20歳の長身DFジャラッド・ブランスウェイトらの名を挙げている。

今回のメンバーでも、国外からの招集はドルトムントのMFジュード・ベリンガムのみだったイングランド代表。こういった国外のタレントにも目が向くようになれば、競争もより活性化されるだろうか。