中国の春節の大型連休が始まります。かつては多くの観光客が押し寄せましたが、2023年の春節は静かなまま迎えることになりそうです。  のべ21億人が大移動するといわれる中国の春節。2023年は新型コロナ対策の移動規制がなくなり、人々が大挙して故郷へ。  名古屋市では春節の観光客に期待するデパートも。名古屋駅前の名鉄百貨店では、中国版のLINE「WeChat」のアプリで、5%の割引クーポンを掲載しています。

名鉄百貨店本店の担当者: 「こちらが中国のお客さまに人気があるベビー用品なんですけれども、日本製というのに中国のお客さまはこだわりがあるようで」

大きく「日本製」と表記している人気の哺乳瓶のほか、免税カウンターに中国人スタッフを増やすなど、インバウンド需要に期待していましたが…。

名鉄百貨店本店の担当者: 「今のところ(クーポン利用の)実数は少ないですけども、(中国人観光客の)大体1割ぐらいのお客さまにご利用いただいて、お買い物していただいています」 依然、中国本土からの観光客は、新型コロナの水際対策があり、少ないままです。ほとんどが香港、台湾などの観光客だということです。

名鉄百貨店本店の担当者: 「セントレアへの、中国本土からの直行便とかが就航していない影響もあると思うんですけど、(中国人観光客は)まだまだ数としては少ないですね。中国のお客さまの購買力は非常に高いですから、当店としても1日でも早くたくさんのお客さまにご来店いただいて、お買い物していただけることを切に願っております」  また岐阜県の観光地・飛騨高山には、20日も多くの外国人観光客の姿ががありましたが、中国本土からの人の姿は見当たりません。

店員: 「今の方はインドネシアだったんですけど、台湾とかフィリピンとか、アジアの方が多いですね」 別の店員: 「(前は中国人が)すごく多かったですよ。ちょっと不安はあるけど来ていただきたいです」  春節を前に中国人を迎える準備を進めている酒蔵を訪れました。

舩坂酒造店の鴨林さん: 「アジアの方はこういった金箔の大吟醸なんかを非常に喜んで買っていただくことが多かったですね」 おめでたい金箔の酒。春節の需要を見込んで、通常の2倍ほど仕入れているといいますが…。

舩坂酒造店の鴨林さん: 「ここ最近でわれわれがお客さまとお話させていただく中では、やはりまだ中国本土の方はみえないんじゃないかなというのが実感です。台湾、東南アジアの方が多いんじゃないかなと思います」  外国人観光客に人気の日本酒コインサーバー。

19日から、QRコードからスマホで読める英語と中国語の説明書きを設置しました。春節の需要に備えます。

 ただ、市内のホテルでは…。 ホテルアソシア高山リゾートの総支配人: 「多いところではやはり台湾のお客さま。まだまだ(客数は)2〜3割程度のお客さまがいらっしゃっています」 コロナ前に比べて、春節の時期のアジアから予約はおよそ3割にとどまっています。

ホテルアソシア高山リゾートの総支配人: 「(以前は)北陸の空港から臨時便も出ていて、非常に多くの方が飛騨地方に来られておりました」 以前は、北陸の空港から多くのアジア人観光客が訪れていたという高山。現在はその飛行機が飛んでいないため、客足が回復していないとみられています。

ホテルアソシア高山リゾートの総支配人: 「中国の状況が少しずつ良くなってくれば、中国香港からもお客さまがみえると思いますので、高山としては大いに東アジアの方面からのお客さまに期待しております」  以前は春節で賑わった中国人観光客。復活は来年以降になりそうです。