
アメリカで銀行の破綻が相次いだことなどから、いま「金」が過去最高の価格になっています。盛り上がる“金ピカの現場”を取材しました。 (リポート) 「こちら純金製の鷹、毛の1本1本まで精密に作られています」 純金850グラムで作られた、まばゆい光を放つ鷹。値段は3410万円です。

名古屋市中区の名古屋栄三越で始まった「黄金展」では、金工作家が制作した純金製のコチョウランやマツの工芸品など、およそ500点が展示・販売されています。 中には純金製の走る「機関車」も。価格は2200万円です。

会場にある物で最も高いのは、茶道具のセットです。 名古屋栄三越・ジュエリーサロンの店長: 「純金製の風炉と茶釜でございます。1億円を超えております」 純金700グラムを使った茶釜が2200万円、純金3200グラムを使った風炉が9790万円です。

来場者: 「金は見とれちゃいますよね。家にあったら寝れないですよね、泥棒が怖くて」 これと比べると「お値打ち」に感じるのか、三越創業350周年を記念した35万円の小判が人気だといいます。

いま金が注目されるのには、ワケがあります。 名古屋栄三越・ジュエリーサロンの店長: 「アメリカの金融機関の不安な材料から、金の価格が急騰しまして、史上最高値を更新しております」 大手貴金属会社の田中貴金属工業が発表した金の販売価格は、1g当たりで18日に9314円の過去最高値を更新しています。

ロシアのウクライナ侵攻ですでに高騰していた金は、3月のアメリカの銀行の相次ぐ破綻を受けてさらに値上がり。円安が進んだこともあって、10年前のおよそ2倍の水準となっています。 名古屋市中区大須のコメ兵の買取センターには、今がチャンスと金製品を売りに来る人も。

売りに来た女性: 「高いから狙っています。やばいね、ネックレス、ブレス…」 春日井市で古着店を営むフィリピン人の女性は、趣味で集めた金のアクセサリーを持ち込みました。

コメ兵の宝石担当: 「昨日、今日で188円上がっていますので、非常に良いタイミングかと思います」 1つ1つ重さを量り、30分ほど鑑定。金のアクセサリー26点の値段は…。 コメ兵の宝石担当: 「合計いたしますと、31万2300円での買い取りでございます」 売りに来た女性: 「20万ちょいかなと思ったんですけど、30万いったのはラッキーだね。(Q.お金はどうする?)貴金属売り場に買いに行きます」 この後、別のフロアのジュエリー売り場で選ぶ姿が見られました。

男性は金貨を持ち込んでいました。 売りに来た男性: 「昔勤めていた会社が株式公開した時に、社員に一律に配られた金貨。平成7年と書いてある。もらってすぐに売っちゃった同僚もいて、その時は3万円ぐらいだと言っていたんですけど」

28年前は3万円だった24金の金貨は…。 コメ兵の宝石担当: 「13万5200円」 売りに来た男性: 「売却したお金で、違う投資商品でも買おうかな」 コメ兵の宝石担当: 「何年か(鑑定を)やらしていただいているんですけれども、9000円超えはなかったことなので。終活で(金製品を)持ってこられる方も多いのかなと」 物価高が続く中、皆さんの家にもお宝が眠っているかもしれません。