三重県桑名市にある世界最大級のウォーターパーク「ナガシマジャンボ海水プール」は、ゴムボートに乗って滑り降りるスライダーや、大迫力の『超・激流プール』など、数多くの水のアトラクションが楽しめる夏の人気スポットだ。3年ぶりに行動制限の2022年の夏は、たくさんの人が満喫していた。

■“映え”を求めて写真を撮る女性たち SNS時代のプールの楽しみ方

 午前8時半。開園を今か今かと待っていた人たちが、足早に園内へ…。奈良から来た家族の目当ては「波のプール」。事故防止のためのライフジャケットも持参で、対策はバッチリだ。

「ナガシマ」の人気は、ビーチのように波が出てくる「サーフィンプール」に…。

軽快な音楽にあわせて水しぶきが噴き出す「ミュージックスプラッシュ」。

 しかし、こうした人気アクティビティをよそに、プールのあちこちで写真を撮り続ける若い女性が大勢いた。

兵庫県姫路市から来た23歳と19歳の姉妹。 2人組の女性: 「映え。SNS。(撮り終ったから)今から泳ぐ」

他の女性にも訪れた目的を聞いてみた。 女性: 「インスタ映え(のため)」 別の女性: 「ほぼ写真」

“映え”を求めて、若い女性がプールをバックにSNS用の撮影に夢中になっていた。 また別の女性: 「めっちゃ撮りました。今からスライダーに乗ります」 また別の女性: 「今は2人の全身撮っていました、水着。思い出シェアみたいな感じです、ナガスパ来たよみたいな。最初のうちに撮っといて、終わった途端(プールで)遊ぶみたいな…」 髪や顔が濡れていないうちにひと通り撮ったら、ようやく水の中へ…。

SNS時代のプールの楽しみ方のようだ。

■3人で訪れていた国際結婚の家族も…夫は「日本大好き」のアメリカ人

 昼になると、園内のレストランは大勢の客が集まっていた。 男性: 「唐揚げと焼きそば。やっぱ泳いだ後はのど乾いていたので」

別の男性: 「ランチタイムです。カレーとラーメンと土手丼。一杯やりながら最高です!」 泳いだ後はお腹が空くが、夏のプールで食べるお昼ごはんは、また格別だ。  小さな赤ちゃんと楽しんでいる家族がいた。愛知県常滑市から来たというアメリカ人の夫、ピーターソンさんと、妻の礼奈さん、1歳になる息子のケンタくんだ。

航空整備士のエンジニアのピーターソンさんと、空港の飲食店で働いていた礼奈さんは、空港で出会ったという。 礼奈さん: 「私は空港の中の飲食店で働いていて、何回も何回もご飯行こうって」 一目惚れした礼奈さんにピーターソンさんが猛アタックを仕掛け、2019年に結婚。2021年には念願の子供にも恵まれた。今が幸せのピークだと笑みを見せる。

ピーターソンさん: 「ウィー・カム・ナガシマ・メニータイム!」 礼奈さん: 「ナガシマ、すごく好きで(よく来る)。ジェットコースターがすごい好きなので…」 ピーターソンさん: 「『スチールドラゴン』『白鯨』」 年間パスポートも購入し、年間20回以上通っているという。

この日は、ケンタくんの「ナガシマプール」デビューだった。

Qずっと日本に住みますか? 礼奈さん: 「いずれはアメリカに行く感じです…」 ピーターソンさん: 「フューチャー・イズ・ディフィカルト」 礼奈さん: 「未来は難しいから…」 ピーターソンさん: 「アイ・ライク・ジャパン!味噌カツ、山ちゃん…ダイスキ山ちゃん」 ピーターソンさんの仕事の都合で、いつかは一家でアメリカへ行くといいます。

日本にいる間、3人仲良く大好きな「ナガシマ」でたっぷり思い出を作ってほしい。

■息子一家と遊びにきた“終活中”のお洒落マダムも

 午後3時。この日の最高気温は37度で、猛暑日に…。炎天下を避け、プール内4カ所の休憩所では、横になって休んでいる人の姿もチラホラあった。 一際目立っていたのが、サングラスをしたお洒落なマダムだ。東京都から来た加茂りん子さん。2022年に70歳を迎え、この日は名古屋に住む息子一家と共に、東京から遊びに来ていた。

Qすごくファンキーなお母さんですね りん子さん: 「なんか言いなさい、お嫁さん」 りん子さんの長男の妻: 「自慢の義母です」 3年ぶりの“制限のない夏”に、孫と一緒に楽しく水遊び。この夏、離れて暮らす家族がこうして集まる光景も多かったのではないだろうか。

りん子さんはこの夏始めたことがあるといい、東京の自宅にうかがった。 りん子さん: 「この暑い夏にも関わらず『終活』です。主人が亡くなって、自分の身辺整理ですよ。ほら、これとかもう洋服類、要らないじゃないですか」

30年以上連れ添ったご主人に、先立たれたりん子さん。いずれご主人のもとに行く「その日」に向け、「終活」を始めていた。

りん子さん: 「ここに昔の写真があるんですよ。ニュージーランドに住んでいた時の思い出の写真がいっぱいなんです。本当は処分したくないんだけど、処分しないと私だけの思い出でしょ。なので『こういうところも行ったな』とか思い出しちゃうと…どうしよう、進まないですね」

新婚当時の海外生活など、幸せな思い出を振り返りながら、少しずつ身の回りを整理。「終活」で家も気分もスッキリして、益々エネルギーが湧いてきたという。 りん子さん: 「遺言書はこれから書く。なんかあった時にはこの書類、っていうことで長男には言ってありますので」 りん子さんの長男: 「今のうちにやってくれるのは(ありがたい)」 りん子さんの長男の妻: 「パワフルですね。孫3人連れて買い物して、夜の10時くらいに帰ってきたり」 りん子さん: 「陽向(ひなた)どう?おばあちゃん、陽向の結婚式、元気だったら行きたいんだけど呼んでくれる?」

りん子さんの孫: 「うーん…」 りん子さん: 「早く結婚してね」 夢は、孫の花嫁姿をこの目で見ること。

毎年楽しい夏を重ねたら、その日はあっという間かもしれない。

■夕刻の総合案内所に集まる人々 妻と子供とはぐれた人も…

 時刻は、午後5時半。入口付近にある総合案内所では、プールでの落し物を探したり…。

困りごとの相談で人が集まってくる。はぐれてしまった子供と妻を探してほしいという男性もいた。 大阪から来た男性: 「一緒におったらええんやけど」 スタッフ: 「そうか、子供は携帯持っていないから…」 大阪から来た男性: 「(プールでは)大人も持ってへんしね、泳いでいるとき」 場内アナウンスの効果はテキメン。程なくはぐれた2人が現れた。 スタッフ: 「どこに行ってたんですか?」 男性の妻: 「あのドボーンってなるところのスライダーで(はぐれた)」

無事、合流できて何よりだ。

■“それぞれの夏”満喫する「ナガシマ」…遠距離恋愛中の男女「たくさん思い出作りましょう」

 岐阜から来たという家族は、“3年ぶり”に家族が顔をそろえたという。 祖父: 「3世代です。じいちゃんばあちゃんで、私達の息子で、孫です」 祖父の息子: 「今、タイに単身赴任しています。せっかくの夏休みだから、最高の思い出を作ろうかと思って帰ってきました。家族が集まれたので、よかったかなと思います」

祖母: 「コロナがすごいですけど、こうやって会えてよかったです」 祖父: 「家族と会えるっていうのが1番幸せですね」

 卒業を控えた仲間たちで、「最後の夏」を楽しんでいる大学生のグループもあった。

大学4年の男子学生: 「今月(8月)末に彼女が帰っちゃうんですよ、アメリカに。遠距離になっちゃうんですよ…」

男子学生の彼女: 「今年の夏は沢山思い出作りましょう。帰ってきてからもずっと一緒にいてください」 男子学生: 「よろしくお願いします」

コロナ禍で迎えた、3度目の夏。ナガシマジャンボ海水プールには、それぞれの夏を満喫する姿があった。