金の価格高騰などで貴金属やブランド品を持ち込む人が増えている。名古屋の買い取り店を取材すると、ブランドによっては定価以上の価格になるケースもあった。

■「18K」と刻印されたブレスレット 実際には「14金」でも金高騰で高額に

 名古屋市中区栄三丁目の「質ウエダ 栄店」。ブランド品の買い取りや販売などをしている。

創業は60年以上、名古屋駅前など市内に4店舗を展開している。

鑑定士歴15年・名古屋出身の浅野修さんに、東海地方のお客さんの傾向を聞いた。

質ウエダ栄店の浅野修さん: 「名古屋の方は派手な物であったり、ブランド品がお好きな方が多いんじゃないかなというのはありますね」 カメラを設置して、その様子を取材させてもらった。まずは岐阜県から訪れたという60代の女性。

女性(60代): 「これがその(買い取りの)対象になるかどうかわからないんで、見ていただけますか」 浅野さん: 「当店のご利用はありますか」 女性(60代): 「初めてです」 浅野さん: 「ありがとうございます。ちょっとこちら出しますね…」 持ちこんだのは「金のブレスレット」。

約30年前のもらい物で、ほぼ使わずにタンスで眠っていたが、金の価格高騰を聞き、売りに来たという。

金は資産として信用が高く、その価値が年々上昇している。20年前は1グラム1000円ほどだったが、今は約8倍の値段に。

浅野さん: 「昔使われていて…?」 女性(60代): 「そうですね…結局使いませんよね。日本人ってあんまりチャラチャラしたものが嫌いだもん」 浅野さん: 「バブルの頃はね」 女性(60代): 「ねぇ、こんなのがゴロゴロ…。子供たちに言ったって、興味ないみたい」 浅野さん: 「貴金属とかお売りになられたりすることはあるんですか」 女性(60代): 「実はね…いま行ってきて、(これは)その残り」 浅野さん: 「あー、そういうことですか」 家の整理で出てきた大量の貴金属を、他の店で既に売ってきたそうだ。

そこでは、この「ブレスレット」だけ買い取ってもらえなかったという。 女性(60代): 「『18金』って書いてあるそうなんですが、調べたら偽物って言われた…」 浅野さん: 「あー、なるほど」 女性(60代): 「ダメかな、それ偽物?騙されたね」 女性が言う「18金」とは金の純度のこと。「24金」でほぼ100%、「18金」で約75%、「14金」で約58%の金が含まれている。

純度によって価値にも差があり、1グラムあたりでかなり変わってくる。

このブレスレットには「18金」を表す「K18」の刻印があるが、他の買い取り店では「偽物」だと言われたという。

実際どうなのか、浅野さんが調べると…。 浅野さん: 「お水につける検査だけさせていただいていいですかね。比重計っていいまして、空気中の重さと水中での重さを比較して、金の純度、割合を導き出す機械になります」

空気中の重さと水の中の重さを測定、比較して金の純度を調べることができる。

例えば「18金」のものを水に入れてボタンを押すと、「Gold 18」と金の純度が表示される。これを使って調べてみると…。純度が低い「14金」だった。 浅野さん: 「そうですね、いまお調べすると表記よりも純度が低いかたちで出ちゃって…。14金として買い取りは可能なので…」

女性(60代): 「じゃあお願いします」 浅野さん: 「製品によっては、刻印がされている場所、例えば今回の場合『K18』の部分だけは18金ですけども、他の部分は違うという可能性はある」

このようなケースは、最近日本で加工されたものにはほとんど見られないが、バブル時代のものや海外で加工されたものには稀にあるという。

今回は14金として買い取り。果たしていくらになったのか…。 浅野さん: 「こちらで、5万5878円」 女性(60代): 「あれが?すごい。14金でも…すごい」

女性(60代): 「びっくりしました。いま、金の相場が高いとは聞いていたんですけど、使わないものが結構いいお値段で買っていただいたので、満足というかびっくりというか…。私たちの若いころは、バブルの頃、ジャラジャラとありましたよね、金が。ブレスレットとかネックレスとか。思っていた値段の5倍ほどの高さで売れました。うち帰って夫に自慢しなきゃ」

■使用感が強くても…「ルイ・ヴィトン」の人気バッグは高額買取成立

 続いてやって来たのは、キャップを被った日本に住んで10年というフィリピン人の女性。持ち込んだのは2つのブランドバッグだ。

浅野さん: 「もうこれ、使わないんですか?」 フィリピン人の女性: 「使わない」 ルイ・ヴィトンのマルチカラーのバッグ。10年以上前に流行ったタイプで、7年前に廃盤となった。

もう1つもルイ・ヴィトンのバッグで、「ヴェルニ・ブレア」というモデル。7年ほど前に流行したものだ。

どちらも30万円程で購入したそうだが、こうしたブランド品を売る人が増えているという。

浅野さん: 「いま円安ということもあって、各ブランドさんの値上げが行われていて、新品だけじゃなくて中古品の金額が上がっているということがあって、それにつられて買い取り金額も高くなっているという現状があります」

追い風の中、このバッグはいくらの買い取り金額になるのか。 浅野さん: 「こういうバッグとか、よく売ったりとかします?」 フィリピン人の女性: 「最近ね」 浅野さん: 「ルイ・ヴィトンが好きなんですか?」 フィリピン人の女性: 「そうだね、ルイ・ヴィトンが多いね」 浅野さん: 「でもいいですね、人気だから。だいぶ前に買いました?」 フィリピン人の女性: 「確かね…7年?」 浅野さん: 「結構、使った感じですか?」 フィリピン人の女性: 「そうですね。思い出が…」 浅野さん: 「じゃあ思い出の分まで頑張らないといけないですね…」 フィリピン人の女性: 「ね〜」 女性の思い出が詰まったバッグということもあって、中には「汚れ」や外側もいたる所に「染み」や「キズ」。形も崩れていて、ちょっと疲れた感じだ。状態が良いとはいえず、買い取ることができるのだろうか。

浅野さん: 「一応、こちら相場を調べたら、買い取りで2つあわせて6万5000円」

フィリピン人の女性: 「ありがとうございます」 2つで6万5000円、女性も納得の様子だ。 フィリピン人の女性: 「(Q金額には満足?)だいたいピッタリかな。もう使っていないし、いま流行りは小さいカバンでしょ。(売ったのは)大きいカバンばっかりだから。だいぶ使ったし。(Q小さいカバンを買う?)お金たまったらね」 浅野さん: 「状態的なことももちろんあるんですけど、中古でも人気の高い商品になりますので、そのあたりでできる限りのことは頑張らせていただいて…。人気もあるということで、高値で買い取りもさせていただきました」

ある程度キズや汚れがあっても、人気のルイ・ヴィトンということで高額買い取りが成立した。ひと昔前の物でも、人気のデザインはキレイに修理をすればすぐに買い手がつくという。

■入手困難な「バーキン30」は定価を大きく超える価値に

 エルメスのバーキンは、入手自体が困難になっていて、定価よりもかなり高額になっているという。

「バーキン30」の定価は約140万円程だというが…。

質ウエダでの中古販売価格は、200万円を超えていた。

コロナ禍で流通がストップし、新品が入ってこないことから中古の需要が増加し、買い取り価格があがっているそうだ。 2022年9月21日放送