
ライフスタイルが多様化するいま、ペットショップには様々な動物がいる。イマドキのペットショップを取材した。
■学年15位に「入らな飼えやん」… 目当ての小型犬を迎えるための父と娘の約束

オシャレな若者が集う、名古屋市中区栄の「名古屋パルコ」。東館の5階、ワンフロア丸々店を構えているのがペットショップだ。

2022年4月にオープンした「矢場動物堂」。

まだ小さいけれど元気な犬や、あいくるしい表情の子ネコ。

だが、この店にいるのはイヌやネコだけではない。アフリカ出身のミーアキャットに…。

大きめのウサギのような…ネズミのような…?

そこにいるのは、150種類の動物たち。

動物たちとのときめく出会いが待っている。

開店は午前11時。イヌやネコのコーナーに、次々と客がやってきた。

家のような少し広めのスペースでじゃれあう子に、のんびり、ゴロゴロ…。そのカワイイ姿に、客もメロメロだ。

男子高校生(17): 「もう最高です。めちゃくちゃかわいいので」 イヌに釘付けになっている女の子もいた。目当ての小型犬を飼うために、父親とある約束をしているという。

父親: 「(テストで)学年15位」 娘: 「(15位に)入らな飼えやん…」 Q.テスト頑張れそう? 娘: 「頑張る」

約束を果たしたら、いっぱいかわいがってあげよう。
■「意外とハードルが低い」 カラスを“飼ってみたいリスト”に入れる人も

小動物ゾーンには意外な動物もいた。

アヒルやハリネズミなどに混じって…。

思わず誰もが足を止める動物。 女性: 「かわいい〜」 見惚れる人もいるが…。 子供: 「近くに寄らないで!」 怖がる子供も。カラスだ。

猟期や猟区を守って捕獲し、繁殖された飼育用のカラス。

店員: 「これくらいの犬ケージなんですけど、これくらいの大きさで」 女性: 「大丈夫なんですか?」 店員: 「はい」 女性: 「何食べるんですかね?雑食なイメージがあるんですけど」 店員: 「いま、お店ではキャットフードとドッグフードを混ぜたものをあげたりとか、野菜とか果物をあげています」 女性: 「噛んだりはしないですか?」 店員: 「噛んだりはしないです」 女性: 「しないんだ!すごい!意外と(飼う)ハードルが低い」

女性の夫: 「思っていたよりは低い。飼ってみたいものリストには入った」
■店で出会った女性の実家にはヤギ、ブタなど17頭…“動物王国”になったきっかけは

イマドキのペットショップは、動物を「見せるだけ」ではない。店内でも一番の人気スポットは、ミニブタとのふれあいコーナーだ。

30分1100円で、自由奔放なブタたちと遊び放題。(プチブーファーム:30分 大人1100円 小学生以下660円)

男の子: 「かわいいわ〜。ここら辺が温かいわ、横らへんがね、プニプニしているし。毛が意外と硬くて気持ちいい」

触れて感じる、体温・柔らかさ・毛並み。街中にいながら動物と触れ合う癒しの時間に、大人も子供も夢中だ。

女性: 「おしっこした…」 友人の女性: 「あ〜大丈夫?すごい量だけど」 女性: 「すごいね。ハハハハハ」 ブタのおしっこに大笑いする、高校時代からの友人同士。 女性: 「動物はすごく好きで、2人とも昔から動物がいる所に行ったりしていて…」 友人の女性: 「実家に豚がいるんですよ!」 女性: 「ヤギと豚とかがいて。母親が柵とかを作って…」 豊橋市の実家で、ヤギやブタを飼っているという女性(29)。

母親が暮らす実家を訪ねると、確かにいた。

ほかにも、烏骨鶏や…。

ふと見上げると、部屋の中にもたくさんの鳥。家畜ではなく、みんなペットだという。

そしてヤギもいた…。

Q.何頭いますか? 女性の母親(54): 「全部で17頭です。子供のころは大型の動物じゃなくて、全部小型の動物しか飼えなかったので、ここで一人(暮らし)なので大型でも飼えるかなと。それから(増えました)」

悠々自適、「一代で築いた」“どうぶつ王国”。ここまで増えたのは、ただの「道楽」ではない。 女性の母親: 「子ヤギが生まれたばかりの子がいて、その子たちも処分すると言っていたので、生まれてすぐにそれではかわいそうでしょ、って引き受けた」 1匹1頭1羽が等しく尊い、大切な「いのち」。「家族」として一生愛情を注ぐ、覚悟を持って暮らしていた。
■将来は“さかなクン”か“ムツゴロウ”か 生き物大好き兄弟の尽きない興味

このペットショップでは、「魚のエサやり体験」(1回200円)もできる。

小学生の男の子: 「おー、おー、おー!食っちゃった、食っちゃった。はや!一瞬じゃん」 ごはんをあげていたのは…「ピラニア」。

肉食で怖いイメージもあるピラニアだが、実は飼育用としても親しまれているという。 店にいる魚に夢中の小学生の兄弟、東谷怜磨(ひがしたに・りょうま 10)くんと拓磨(たくま 8)くん。 東谷怜磨くん(10): 「魚の模様とかかっこよくて、形とか、そこらへんを見ていると、わくわくして楽しい」

父親の光晴さん(39): 「これが家で飼っている…」

Q.なんという魚? 怜磨くん: 「エンドリケリーだね」 光晴さん: 「ポリプテルス・エンドリケリーという古代魚」

怜磨くん: 「2億年前のデボン紀っていう時代にいた…、まだ地上がなかった時代かな?」 すごく詳しいが、魚だけが好きな「さかなクン」ではない。 怜磨くん: 「この辺でパッと捕まえたりします」

怜磨くん: 「あっ逃げるな!捕まえた!」 怜磨くん: 「(カナヘビは)外で暮らすから、ちょっとした石とかが飛んできても大丈夫なように、身を守るために(背中が)ゴツゴツしている」

家には古代魚にくわえ、カナヘビやイモリ…。

クワガタなどたくさんの生き物がいた。

尽きることのない生き物への興味の源は、「図鑑」だ。

光晴さん: 「読みに読んだ熱帯魚の本で、この子たちも大好きでこんなボロボロの状態になっています」

怜磨くん: 「このアロワナは(体長が)1メートルくらいになって、虫が葉っぱについていたらジャンプして水から飛び出てバシャ―ンって飛んで、パクっと食べるんですよ」 母の裕子さん(40): 「今みたいな感じで、本を見ながら一生喋っています。興味を持ったことに熱中するのはすごく賛成なので、好きって素晴らしいなと、なんでも吸収できちゃうので」 教科書は「家の庭」と「お気に入りの図鑑」。将来は“さかなクン”か“ムツゴロウさん”かもしれない。
■多種多様の生き方が溢れるイマドキのペットショップ

若い女性: 「めっちゃ元気ですね。一目ぼれして、インスタで見てかわいくて」

店員: 「最初の1週間バスタオルをかけてもらって…」 この女性は一目ぼれしたハムスターを「家族」に迎え、新生活を始めることに。 若い女性: 「いろいろプライベートであったりだとかすると、人間関係とか。帰ってきて癒されますね、嫌なことがあっても」 主婦の女性: 「ん〜、もう歳だから私は(飼えない)。(ここが)憩いの場所かも、癒される」

別の女性: 「犬を飼っていたことがあったので。チワワです。思い出しちゃいますね、近寄ってくれると、飼っていた頃を」

ライフスタイルは多種多様。イマドキのペットショップは、その人らしい動物と過ごす、それぞれの生き方が溢れていた。 2022年10月31日放送