ノーベル化学賞の受賞が決まった名城大学の吉野彰教授。受賞理由となったリチウムイオン電池の開発は、もともと『ビデオカメラを小さくすること』が目的だったというんです。

 そんなリチウムイオン電池が、私たちの暮らしを大きく変えました。その誕生前、80年代バブル期の携帯電話といえば肩に掛ける大きなもの。またカメラやノートパソコンも「大きく・重い」という持ち運びにくいものでした。

 リチウムイオン電池の特徴は「小型で軽量、そして繰り返し充電して使える安全性」。それによって携帯電話は、いわゆるガラケーからスマホへと進化。ポケットサイズになっていつでも・どこでも簡単に連絡が取れるようになりました。

 デジタルカメラも登場して、ノートパソコンも薄型に。リチウムイオン電池の開発がなければ、これらは生まれていなかったといえます。

 また、それ以外にも大きな影響を与えているのが自動車業界。

 今「100年に一度の大変革期」とも言われていて、世界が競って「次世代自動車」の開発を進めています。その心臓部とも言えるバッテリーに、吉野教授が開発した技術が使われているんです。

 そしてもう一つが宇宙分野。人工衛星やロケットのほか、国際宇宙ステーション=ISSでも、リチウムイオン電池は使われています。従来の電池と比べて3倍もパワーがあるため、電池の数も少なくて済み、寿命も長くなったといいます。