子供や学校のための活動をする「PTA(Parent-Teacher Association)」。本来はボランティア活動のはずですが、活動がノルマのようになっているところが大半です。PTAの活動内容や問題点、そして改革に取り組む小学校を取材しました。

■街で聞いたPTA活動体験談 専門家「必要性を感じないものも多い」

 運動会などの行事の手伝いやベルマークの回収など、子供や学校のための活動をする「PTA」。その中で問題は、誰がやるのかということ。 名古屋市・吹上小学校のPTA会長: 「『委員・役員をやりたいですか』という質問については、『ぜひやりたい』は0%、『やってもいい』が11.2%、『やりたくない』が61.9%という結果でした」

 街の人に、PTAでどのような体験をしたのか伺いました。 60代主婦: 「アルミ缶を回収して持っていくとか。『ちょっとこれつぶしてきてよね』って言いながら、一生懸命踏んでつぶしていた覚えはあります」 40代パートの女性: 「バザーのお手伝いですね。家庭でいらなくなった新しい不用品とかを、地区を回ってもらいに行くんですよ。それを回収しに行って、小学校まで持って行って並べて売って、部活動とかのお金に使うみたいな。大変でしたけど毎年やっていたことだから、別に嫌じゃなかった」 60代主婦: 「運動会、お遊戯会、七夕まつり、お餅つきなどの行事(の手伝い)。お餅つきは、もち米を前の日から仕込んでやらなきゃいけなかった。仕事持ちながらなので大変だったかな。今は(PTA)いらないんじゃないですか?」 60代自営業の女性: 「(子供が高校の時)文化祭の準備の手伝いだとか、補習授業の受付の手伝いをしたとか。正直、時間を使うから大変なんですけど、高校は授業参観とかがないから、行くとちょっと(授業風景を)見られるというメリットはありました」 PTAに関して様々な経験があるという人が大勢いました。  全国のPTAを取材し、「さよなら、理不尽PTA!」などの本を出している大塚玲子さんに、PTAの活動の一例を聞きしました。

・運動会や卒業式などの学校行事で、来賓の対応やお茶出し、誘導など ・登下校時に、交通見守りや旗振りなど ・子供会などで、草むしりやスポーツ大会の応援など ・給食費など学校徴収金の計算、教室のカーテン洗濯、トイレ掃除など ・保護者会、学校の方針の報告を聞く、広報誌作成、PTA運営報告作成など 大塚さんは「全員に役割を割り振るために強引に作ったものもあり、必要性を感じないものも多い。活動内容に加えて『必ずこの日のこの時間に』と一方的に日時を指定されるのが大変だ」と話しています。

 そもそもPTAが必要なのか?という疑問も生まれてきますが、大塚さんは…。 大塚さん: 「もしPTAが、これまで多かったような『全員必ずやってください』というものだとするならば無くていい、無い方がいいかもしれない。参加したいという人が楽しんでやりたいことができるような組織になれるんだったら、あった方がいい」 また街頭で聞いたところ、32人中「PTAがいる」と答えた人は26人、「いらない」が6人でした。

「強制・拘束されなければ」という前提ではありますが、PTAの活動自体は必要と考えている人が多くいました。

■「変化は必然」…2つの小学校が取り組むPTA改革

 さまざまな形でPTAを改革しようと取り組んでいる、名古屋市内の2つの小学校を取材しました。  名古屋市瑞穂区の陽明(ようめい)小学校。PTA活動の一つが、保護者が交代で通学する児童を見守る「旗当番」です。

以前は、事情に関係なく全ての家庭が月に1回程度担当し、参加できないときは代理を出すなど、強制的なものでした。しかし…。 旗当番をしている父親: 「子供たちが安心・安全に学校に行けるように、ちょっとでも協力できたらなと思っています」 別の父親: 「僕はどちらかというとできれば参加したいなと。会社の都合も、僕は出勤が遅い方なのでいいですけれど、そうもいかない家庭もあるでしょうから、そこは持ちつ持たれつかなと思っています」   以前とった保護者へのアンケートでは、「旗当番などで負担が増えても構わない」という回答が6割に上りました。

また「事情があれば免除の家庭もあっていい」と考える人も8割に。

そこで、やれる人だけで当番を回す形に段階的に変更し、欠席の代役も不要としたところ、手を挙げてくれる人がかなりいたといいます。 PTA会長: 「ちゃんと皆さんのご希望を伺って、やれる方でちゃんとやりましょうという試みだったんです。ふたを開けましたら、ほとんどの世帯の皆さま方にご協力いただけて、従来以上の制度が維持できています」 また、保護者の声から生まれた新しいイベント「子ども食堂」は、学校を会場に月に1回開催し、手づくりのカレーが大人は300円、中学生以下は無料です。

PTA会長: 「世の中が変わり始めているからこそ、われわれも環境とともに変化していく。それはどんな組織であっても必然的なことだと思うんです」  熱田区にある白鳥(しろとり)小学校。この日はPTAの会議で、役員たちは前の役員に「やりませんか?」とスカウトされた人です。

PTA役員の女性: 「やっぱり嫌ですよね、色々縛られることもあるので…。声をかけてくださったその方が、私が何もしてない時に活動されていたと思うと、それは引き受けないといけないかなという感じです」 会長の大矢さんもスカウトされて引き受けました。前年は副会長で、2年見てきて、みんなのネガティブな気持ちを目の当たりにしてきました。 PTA会長の大矢さん: 「先生たちと子供たちと保護者が一緒に良くしていくという流れのPTAと全然違う方向に進んでいくと思うので、気持ちよく参加していただける形を作っていくのが正しいと思う」  そこで白鳥小PTAでは、2022年5月から「エントリー制」を導入しました。すると、春休みに行った窓ふきには25人が参加、年に1度の図書室の本の整理には80人ものエントリーがあったなど、想定以上の参加者が集まり手ごたえを感じています。

 さらに改革すべく、今取り組んでいることが「役員の仕事の洗い出し」です。 PTA会長の大矢さん: 「役員の仕事の『見える化』をさせてもらいたいなと。その後に細分化して、これは別に役員じゃなくてもいいかどうか確認を取って」 会長・副会長・書記・会計など、役職ごとに抱えている仕事を全員で共有して検討することで、本当にやる必要があるのかを精査しようとしています。

PTA会長の大矢さん: 「お願いできるものはお願いして、役員の負担を少なくしていって、役員のなり手を少しでも多くしたいなと思って」 PTA役員の女性: 「皆さんが関われるような、もう少し開けたPTAということで今色々やっている。皆さんに(PTAを)知っていただけるような活動につなげられたらなと思います」  2022年10月に実施された、名古屋市立の小中学校PTAに活動のエントリー制について聞いたアンケート調査では…。

・すでに導入済み:37校 ・来年度から導入:8校 ・近く導入に向け検討:27校 ・導入検討に入りたい:33校 (名古屋市立小中学校PTA協議会 調査) 371校に対して調査し、約1割の学校がすでに導入済みという結果でした。(※回答率は半分程度) ※「東海テレビNEWS ONE」ではPTAについて取材を続けます。pta@tw.tokai-tv.co.jpまでご意見・情報をお寄せください。