「第8波」で新型コロナウイルスの新規感染者が増える中、名古屋のワクチン接種会場で11月から働き始めたウクライナ人がいます。そこには、避難の長期化でウクライナ人が直面したある事情がありました。  名古屋駅の地下街にあるワクチン接種会場。 ウクライナ避難民の女性: 「アルコール消毒大丈夫ですか?左腕で大丈夫ですか?」

 接種を受ける人の誘導や、注射器の準備…。働いているのは、ウクライナから愛知県に避難してきた人たちです。 ひだまりこころクリニックの理事長: 「企業さまからのご紹介で、現在ウクライナ支援をやっていて、ウクライナ避難民の方を受け入れてもらえないかという要望がございまして」  ワクチン接種会場を避難民の雇用の場に。ウクライナ文化協会から人材派遣会社を通じて打診があり、11月1日から、ウクライナから避難してきた男女4人を受け入れました。勤務はシフト制で、契約社員として時給1300円で働いています。

 コロトコヴァ・エリザベータさん、23歳。仲間からは「リザさん」と呼ばれ、週に4日、予診票を確認する業務などに携わっています。

 リザさんは2022年3月、ウクライナの首都・キーウの隣町・イルペンから日本に避難してきました。 コロトコヴァ・エリザベータさん: 「(家族は)ウクライナにいます。心配しています。今ウクライナは本当に大変です。電気・水がない。本当に寒かったです。1日に電気が10時間ぐらい使えない」  父親を交通事故で亡くしたリザさん。母親や祖父母は今もウクライナにいます。

コロトコヴァ・エリザベータさん: 「(電話は)最近は本当にあんまりない。心配しています」  高校時代から6年ほどWebデザインを学び、日本ではフリーランスのWebデザイナーとして生計を立てようと考えていましたが、なかなか仕事が見つかりませんでした。  支援金として10万円の給付を受けるなどしていましたが、避難が長期化した影響で経済的に困窮。知人の家に住みながらこの仕事を始めました。

コロトコヴァ・エリザベータさん: 「日本語が全然わかりませんでした。それから文化が本当に違う。人が全部全部違う。私は毎日びっくりしました。でもこのセンターで、私は本当によく日本語を使って練習しています」

 クリニックでは、業務の難易度に応じて担当を割り当てています。日本語に不慣れなリザさんも、予診票を確認する業務では、チェックするべき項目を英語で書き足しました。

 また、翻訳機も活用しながらコミュニケーションを図っています。 接種に来た人: 「全然問題なく普通に会話できたので良かった」 接種会場に来た人: 「今ウクライナの方が色々困っていらして、避難されているという現状もあるし、こちらはこちらで働き手の不足があるっていうのもわかっているので、そういうところでうまい具合にマッチングができるんであれば、歓迎すべきことではないかなと思います」 ひだまりこころクリニックの理事長: 「彼女たち・彼らを通じてわれわれ日本人のスタッフがどうやって支援をしていくのか、どうやって業務を任せていくのか。改めてコミュニケーションが活発になることで、職場の雰囲気がすごく良くなりました。これからも積極的に受け入れをしたいと思っています」