2023年の地価公示で、愛知県の住宅地では東海市が上昇率のトップになりました。 (リポート) 「住宅地の地価が上がった愛知県。その中でも上昇率が最も大きかったのが東海市です」  名古屋市の南側に隣接する東海市は古くから鉄鋼業が盛んで、大手鉄鋼メーカーの工場が集まる「鉄鋼の街」です。

 東海市は22日発表の地価公示で、住宅地の平均上昇率が7.8%でした。トヨタ系企業が多く、例年安定して人気の高い西三河地域を差し置いて、愛知県内ではトップになりました。

 鉄鋼の街が、住宅地として人気が急上昇した理由を不動産鑑定士に聞きました。 不動産鑑定士の小森さん(総合鑑定調査): 「非常に(交通の)利便性が良いけど、名古屋市に比べたらまだまだ割安感があるということで、非常に需要が高くなっている」  市の中心部、名鉄常滑線・太田川駅から特急列車に乗れば、名古屋駅までわずか17分。空の玄関口・中部国際空港へも最短20分ほどで到着します。交通の便が良いわりに、地価はまだまだお得ということのようです。

人気が高まっている理由は他にもあります。 不動産鑑定士の小森さん: 「太田川駅が高架工事をしたり、日本福祉大学が移転してきたりということで、ここ10年くらいで昔よりも若い人が集まったり活気が出ている」  30年ほど前に始まった太田川駅周辺の再開発事業。

 駅の東側には子育て支援センターなども入る商業施設ができ、西側には市の芸術劇場が入るビルや、スターバックスなどが入る大型ショッピングセンターも建設されました。 30代の市民: 「駅の近くだと便利だし。駅の子育て支援センターなどが近いのでいいですね」 70代の市民: 「何事においても歩いて行けるような範囲にあるから、住むには便利ですね」  線路を高架にし、問題だった踏切による交通渋滞も解消されました。

 実際、調査地点別の上昇率を見ても太田川駅周辺エリアは、名古屋市の中心部に続き上位にランクインしています。

東海市の担当者: 「(昔の)太田川の駅周辺の状況を知っている者としては、本当に大きく変わったなと。長くにわたって皆さんが定住していただけるようになればありがたいと思っております」