
藤井聡太七冠の全冠制覇が期待される将棋界に、岐阜県から新たなプロ棋士が誕生しました。岐阜市出身の宮嶋健太新四段(24)です。13年間の奨励会生活からプロへ。東海テレビでは9歳の頃から宮嶋さんに注目していました。 宮嶋さんは、将棋のプロ棋士の養成機関である「奨励会」のリーグを勝ち抜き、見事プロ入りを果たしました。 9日、東京の将棋会館。 宮嶋新四段: 「本当にホッとしたという一言で。13年間の奨励会生活でしたので(プロに)なれるかなれないか、なれない可能性の方が高いんじゃないかと思って最後の方はやっていたので、棋士になれて本当にホッとしています」

6歳の時、祖父から将棋を教わった宮嶋さん。小学4年の9歳の時の貴重な映像。史上最年少で岐阜県の代表として、大人に交じって全国大会にも出場しました。

2011年に奨励会に入会し、2019年にはプロの手前の三段に昇段しました。

上京はせず、岐阜で腕を磨いてきた宮嶋さん。母校の鶯谷高校で後輩の将棋部員を指導したり、藤井聡太七冠の記録係も務めたこともありました。

宮嶋三段(当時): 「きょうの記録係ですか?藤井君の対局だからです」 この日、午前10時に始まった対局。終局し感想戦が終わったのは午後10時でした。対局後の片付けは記録係の仕事です。

宮嶋三段(当時): 「いやぁ、長かったですけど楽しかったですね。こういう熱戦になると」 半年に2人しかプロになれない将棋の世界。気が付けば年齢制限の26歳が近づいていました。 宮嶋新四段: 「高田四段が(プロに)昇段された時が、奨励会生活で一番悔しかったかなと思うんですけど」 年下で同郷の高田明浩四段(21)は2021年、18歳でプロ棋士に。先を越されていました。

宮嶋新四段: 「元々自分は長考派で、時間で負けたりタイムマネジメントがうまくいかないことが多かったんですけど、今期は吹っ切れて決断良く指すことができるようになったことが大きい要因だったかなと思います」 今期の三段リーグでは、40人中1位でプロ入りを決めました。東海3県からは3期連続で将棋のプロ棋士が誕生しています。

東海地方出身のプロ棋士誕生について、藤井聡太七冠も喜んでいます。 藤井七冠: 「(東海地方)出身・在住の棋士がこれまで少ないというところがあったので、棋士が増えることでより東海地方で将棋が盛り上がって、好循環が生まれればよいのかなと思っています」

宮嶋新四段: 「24年間、ずっと岐阜市に住んできまして、岐阜市の方や岐阜県の方にすごくお世話になったので、これからも岐阜に住んで成績面であったり普及面であったり、岐阜県の方々に恩返ししていきたいなと思っています」