愛知県の2月議会で、県営水道の値上げを盛り込んだ条例案が提出されました。愛知県豊田市でも2024年4月から約20年ぶりとなる値上げをする予定で、水道料金の値上げが相次いでいます。  19日開会した愛知県の2月議会で、一般会計の総額・2兆7900億円余りの新年度予算案とあわせて提出されたのが、「県営水道料金値上げ条例改正案」です。

大村愛知県知事: 「水道事業の健全な運営を確保するため、水道料金の改定を行うものであります」  市町村の水道の水源として、県内49の市町村に供給されている『県営水道』。現在の使用料金は1立方メートルあたり26円ですが、条例改正案では2024年10月には28円、2年後の2026年4月には32円と、段階を踏んで最終的に6円値上げするものです。

 県営水道の値上げは2002年以来、実に22年ぶりです。住民が支払う水道料金は自治体ごとに異なりますが、一般家庭で試算すると月に120円ほどの値上げになるといいます。  なぜ、生活に欠かせないインフラである水道が値上げされるのでしょうか。 愛知県水道計画課の課長: 「電気料金や物価の高騰の影響によりまして、動力費や水処理に必要な薬品費、維持管理費が増加しております」  さらに、維持管理費をめぐっては大きな課題が…。 大村愛知県知事: 「耐震化の観点からの設備更新もいたしますので、今回のような大きな地震にも十分耐えうるような投資もしていきたい」

 1月に発生した能登半島地震では、1カ月半以上が経った今も2万7000戸あまりで断水が続いていますが、被害を大きくした大きな要因としてあげられているのが『水道管の老朽化』です。

 石川県内でいわゆる耐震化ができていた水道管は36.8%で、全国平均を大きく下回っていました。  愛知県では、水道管の耐震化や老朽化対策に総額約370億円の費用がかかると試算されていて、収益確保が新たな課題になっています。  この耐震化を理由に、独自の値上げに踏み切る市町村が『愛知県豊田市』です。  豊田市は水道管の耐震化工事を進めていて、2024年4月から水道料金が平均で5.5%も値上げされる予定で、一般的な家庭の負担は月に269円ほど増える見込みです。

豊田市上下水道局企画課の課長: 「料金収入が減少しておりまして、現在取り組んでおります耐震化事業だとか、老朽化対策事業の進捗に影響があることを懸念しております」  豊田市では、人口の減少などで水道の料金収入は9年間で約3億円減少した一方、耐震化や水道施設の維持管理にかかる費用は27億円も増加していて、災害に備えるため値上げは避けられないといいます。

豊田市上下水道局企画課の課長: 「南海トラフが起こりますと相当の被害が想定されますので、こういった耐震化だとか老朽化対策に関するご理解をいただきまして、何卒料金改定にご協力いただきたいと考えております」

 水道管の老朽化では、能登半島地震の被災地の現状もあり、対策が重要です。  東海3県では、いわゆる耐震化ができている水道管は、愛知が59.8%、岐阜県が40.1%、三重県が33.1%となっています。  愛知県はかなり進んでいますが、それでも今回の値上げで、県営水道を利用している自治体では一般家庭で月120円ほどの負担が増える見込みです。  愛知県は、耐震化を今回の県営水道の値上げの要因には挙げていませんが、担当者は「今回の料金改定で収益を確保することで、地震対策などを計画的に進めることができる」と話しています。