桜の開花が近づき、春の足音も聞こえ始めるこの時季は、火事に最も用心が必要な季節です。  消防庁が公表している2022年まで8年間の統計によると、1年間で最も火事が発生したのは、暖房器具を多く使う冬場ではなく、春の入口の3月です。

 3月の火事に注意が必要なポイントの一つが「風」です。  18日午後3時前には、愛知県東海市荒尾町で牛舎や倉庫が燃える火事が発生。ケガ人はいませんでしたが、鎮火までおよそ3時間半を要し、全焼した牛舎で数十頭の牛が焼け死にました。

 映像を見ると、牛舎から川を挟んだ対岸の竹林にも火が広がっています。その周辺で煽られるように揺れる木々の様子から、現場では強風が吹いていたことがわかります。

 愛知県では18日、県内のほぼ全域で強風注意報が発表されていました。  そして同じ頃、10kmほど離れた名古屋市瑞穂区でも火災が発生。火元の住宅など3棟を燃やして舞い上がった煙はまっすぐ上に伸びるのではなく、強風に煽られてはるか遠くにまで広がっていました。

 火事の影響を広範囲に広げる3月の風。 気象予報士の福島智之アナウンサー: 「春というのは、偏西風に乗って低気圧が日本列島を通過することが多いんですけれども、この低気圧が通過すると北風が強く吹きますので、この風で火災が起きた時に延焼が広がってしまう危険性が高まるというのは考えられますね」

 福島気象予報士によると、注意が必要なのは強風だけではないといいます。 気象予報士の福島智之アナウンサー: 「春には『5つのK』に注意が必要とわれわれはよく言うんですけれども。その一つが『寒暖差』、そして『花粉』に『黄砂』、あとは先ほどの『強風』、そして『乾燥』。この強風と乾燥の2つが重なってしまうと、火災が広がってしまう危険性がかなり高くなってくると考えられます」  19日の東海3県でも広い範囲で乾燥注意報が出され、火事が起きやすい空気の状態になっています。  名古屋市消防局も、3月の火事に注意を呼びかけています。 名古屋市消防局予防課の担当者: 「3月も残りわずかとなりまして、4月から新生活が始めて環境が変わる方も多いと思います。この機会に電気配線などを確認していただいて、近年多くなっている電気火災の予防にも努めていただきたいと思います」