名古屋駅のジェイアール名古屋タカシマヤでは、日本最大級のチョコレートの祭典「アムール・デュ・ショコラ」が開かれています。連日賑わいを見せていますが、この会場では募金だけでなく、チョコをきっかけに能登半島地震の被災地を支援しようとする人が集まっています。

■“珠洲の塩”を使った限定シューは開店15分で完売

 ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」には、国内外の約150の人気ブランドが出店していて、自ら店頭に立ってアピールするシェフもいます。 人気パティシエ、アッシュチョコレートワールドのシェフ、辻口博啓(ひろのぶ)さんは、地震で大きな被害を受けた石川県七尾市の出身で、地元への思いをスイーツに込めていました。

珠洲市の特産の『塩』をシュー皮とクリームの両方に使った 「珠洲の塩ショコラシュー」(2個入り1201円)は、1日30個限定です。

辻口博啓さん: 「スイーツでしか僕自身は協力できないので。募金とスイーツ、そこに集中して、それぞれの色んな業種の人たちが自分たちの得意とする分野を集結して、被災地に協力してもらいたいなと思います」 開幕から1週間が経った25日も、辻口さんの店では多くの人がチョコを買いに訪れていました。

女性客: 「買うことでちょっとでも支援ができるというか、そういうことがあればちょっとずつやっていけたらいいかなと思います」 別の女性客: 「(辻口さんの)インスタもフォローしていて、金沢とか石川の方はまたもう1回行きたいなというのがあるので、ぜひ行かせてもらいます」 辻口さん: 「石川での思い出を語っていただいたりとか、『復興したら必ず行くよ』とか、温かいお言葉をかけていただける機会が多いですね。本当にありがたいです」 辻口さんは店頭に被災地支援の募金箱を設置していましたが、多くの人が詰めかけたため、 タカシマヤの募金箱と統一したといいます。

珠洲市の塩を使った、1日30個限定のショコラシューもあっという間に完売です。 辻口さん: 「(開店から)15分くらいで完売しているので、少しだけ増量して販売するようにしています」 他にも“珠洲の塩”を使ったスイーツがあります。 辻口さん: 「珠洲の塩をクッキー缶で、珠洲の塩がたくさん使われています。それぞれのクッキーに少しずつ加えて。これは最中を使ったフロランタン。本当に隠し味で、最中の味、フロランタンのキャラメルの味を生かすために塩が使われています」 9種類の味が楽しめるクッキーの詰め合わせ「和楽紅屋のクッキー缶(Sサイズ3701円)は、ミネラルが豊富な珠洲の塩で、素材の味をグッと引き立たせたといいます。

辻口さん: 「被災地からこのアムールに入りましたから、後ろ髪を引かれる思い。最終日までしっかり(ここに)立って、1人1人のお客さまに対してしっかりと対応していきたいと思っています。終わってから石川に入ってどういう支援ができるのか(考えたい)」

■初出店の店舗「心のこもった言葉がグッとくる」

 金沢市の「ショコラトリー雨の詩(うた)」は、今回が初めての出店です。

地元の食材を生かしたチョコレートが人気で、「ボンボンショコラセット あめ」(8粒入り2901円)は、金沢産のイチゴに紋平柿(もんぺいがき)、五郎島金時(ごろうじまきんとき)、加賀市のほうじ茶など、8種類がセットになっています。

また会場限定で、チョコと伝統工芸の九谷焼(くたにやき)の皿をセットにした「九谷焼豆皿セット」(4501円)もあります。

社長の中川裕暁さんは当初、出店を迷ったといいます。

中川裕暁さん: 「余震は続いていたので、お店を残していく、家族を残して僕が外に出るっていうことを決断しなければいけないので」 それでも元気な姿を見せたいと、出店を決めました。 中川さん: 「『少しでも応援したくて来たよ』って言っていただりとか、皆さん本当に心がこもった言葉をかけていただくので、グッとくるものがある」 多くの応援の声に支えられたといいます。 女性客: 「地震前に金沢に旅した時に、たまたまお店を見つけて気になっていて、地震もあったので買ってみようかなと」

別の女性客: 「(カタログに)石川の話が書いてあったので、これは買わなきゃなと思って来ました」 また別の女性客: 「テレビで復興支援というのを見て、できることがあるならせっかくだし、チョコ好きだしこのお皿も欲しいしと思って」 売れ行きは想定を大幅に超えていて、売り切れることも多いそうです。

■中心部には日常が戻っても人出が戻らない寂しさ

「雨の詩」は金沢市の観光名所「兼六園」の近くに店があり、幸いにも今回の地震の被害は少なく、通常営業ができていますが、観光地として復興できるのか心配しています。

中川さん: 「石川県の観光地という観光地に本当に人がいない、ガラガラな状況が続いているのは本当に寂しさを感じますね」

25日午後の兼六園前の通りの写真には、人の姿がありませんでした。

中川さん: 「金沢の中心部はもうほぼほぼ通常通りに動いている。現地にいる人間にお声がけいただけるだけで、僕も実際本当に力をもらって元気をもらっているので。どこか旅行に行こうかなと思っている方がいるんでしたら、ぜひ金沢を一つ候補に挙げていただければ」 2024年1月26日放送