「こんなことが起きるなんて。びっくりです」。都のレッドリストに「絶滅種」(EX)に分類されている水生植物「ジュンサイ」「ミズユキノシタ」が発見された八王子市長池公園の長池。約60年前の生物調査で存在が確認されたのを最後に、干ばつなどの影響で姿を消していた。園長の内野秀重さんは、池の水を抜く「かいぼり」の成果に驚きを隠さない。 

 長池は江戸時代以前から水源として親しまれてきた。2000年の公園開園前後から外来魚が定着し、生態系の悪化が顕著に。その回復対策の一環として昨年11月から池の水を抜く「かいぼり」を実施。認定NPO法人生態工房と、井の頭かいぼり隊のほか大学生ら約100人が参加して外来魚の駆除を行った。

 3月まで池の底を干し、浅場の土を掘り返した効果が5月から6月にかけて突然、現れた。

 池の浅瀬や池から運び出した土の中から、ふだん見慣れない植物が次から次へと芽を出し始めたという。

 今回、長池で見つかったガマ科の多年草「ヒメミクリ」は環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)に分類され37の都道府県のうち6県で絶滅。

 内野さんは「都のレッドリストでは『情報不足』(DD)に分類されているが、実態は『絶滅』に近い」と分析する。

 多年草「ヒルムシロ」は都内の自生地では激減し、多摩地域のごく限られた場所に残存している状況だ。都のレッドリストには「絶滅危惧II類」(VU)に分類されている。

 「かいぼりにより、池の底の泥土の中で長く眠っていた種子たちが目覚めた」と内野さんは感慨深げだ。

 問い合わせは長池公園自然館=電042(678)4616=へ。 (花井勝規)