野田市が国の特別天然記念物コウノトリの雄の幼鳥「ヤマト」を放鳥して、十七日で一カ月。同市江川地区の飼育施設「こうのとりの里」では十二日朝、開けていた飼育舎の天井をネットで覆った。周辺の水田にいたヤマトは餌のある「家」には戻れなくなり、自活の段階に入った。

 放鳥は六月十七日。午後五時十分すぎ、飼育舎から飛び立ったヤマトは、同施設周辺を歩き回るなどした後、親鳥二羽のいる飼育舎に舞い戻った。同二十四日に一週間ぶりに野外に出てからは、日中は水田で過ごし、飼育舎には餌を補給する午後三時ごろに戻ってくることが多かった。

 飼育舎をネットで覆ったのは、飛べないようにしていた親鳥の雌の羽が生えてきたためだが、ヤマトを自立させる狙いもある。

 天井が閉じられた十二日、ヤマトは飼育舎に入れないかと周辺を歩き回り、ネコのような鳴き声を出した。翌日以降も近くの水田と飼育舎を行ったり来たりしている。飼育員の森本直樹さん(29)は「餌のカエルなどを捕まえられるか気になるけれど、この辺りにできるだけ長くいてほしい」と話している。

 昨年の放鳥では、六月四日に放鳥された兄弟二羽のうち、兄「きずな」は飛び去ったが、弟の「ひかる」は八月二十五日ごろまで飼育舎の周辺で過ごし、旅立った。きずなやひかる、一昨年放鳥した二羽の計四羽は、山形県酒田市、栃木県鹿沼市などで元気で過ごしている。 (飯田克志)