県内流通大手、ベイシアグループのホームセンター「カインズ」が、自社ブランドとして海外メーカーに委託生産した扇風機が部品の不具合が原因とみられる発火事故を起こして利用者が軽いやけどを負い、同社が経済産業省に報告した上で七種類、計約十一万台について自主回収を始めたことが十八日、分かった。他社の扇風機による発火では県外で死亡事故の例もあり、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)などが猛暑が続くこの時期に特に注意を呼び掛けている。 (菅原洋)

 自主回収しているのは、二〇一二年製で、同年四月〜一四年六月に販売し、発火の恐れがある「リビング扇」と「フロア扇」。大半がリモコン式で、色は白、黄、青、ピンク。中国とインドネシアのメーカーに委託生産し、二千円前後〜五千円前後で販売した。

 同社によると、発火事故は今月十日夜、利用者が就寝中に発生。消火しようとした夫婦のうち一人が手に軽いやけど負い、床が焦げたという。扇風機は設計上の標準使用期間を六年としていたが、発火した商品は約四年前に購入された。

 同社が商品を調査した結果、扇風機のモーターを稼働させるのに必要な部品「コンデンサー」の不良が原因とみられ、詳細な解明を続けている。同社が現在販売している自社ブランドの他の扇風機は安全性を確認したという。

 同社広報室は「対象商品をお持ちのお客さまは直ちに使用を中止していただきたい。お客さまに大変ご迷惑とご心配をお掛けし、深くおわび申し上げます。より一層品質管理の向上に努めてまいりたい。海外の取引先の選別は厳格にしていく」と謝罪している。

 同社は一九八九年に伊勢崎市で設立され、本部は九一〜二〇一二年は高崎市に置かれた。その後は埼玉県本庄市に移転した。現在は群馬県内に約三十店舗を展開している。一七年二月期の連結売上高は約四千三十五億円で、二月末現在の従業員は約一万七百人。

 問い合わせは同社お客さま相談室=フリーダイヤル(0120)877111=(休日を含む午前十時〜午後六時)へ。返金や商品交換などに対応する。

◆熱帯夜の使用に気を付けて

 NITEによると、把握している扇風機による火災事故は二〇一一〜一五年度に全国で計九十件発生し、五人が死亡、二十人が重軽傷を負った。

 一三年三月、大阪府で約十年使用した扇風機が発火し、四十代の女性が死亡。同年七月には、兵庫県で約十六年使った扇風機が発火して住宅が全焼し、一家とみられる六十代の男女と二十代の男性の三人が亡くなる痛ましい事故が起きた。

 一五年七月には、岐阜県で約二年しか使っていない扇風機が発火し、住宅が全焼して四十代の女性が死亡している。

 NITEは「熱帯夜で寝ながら扇風機を使う人は発火の発見が遅れ、重大な事故につながる恐れがある」と注意を喚起している。

 その上で、製造から長期間経過した扇風機の使用には注意し、使用しない時は電源プラグをコンセントから抜くことなどを勧めている。

 扇風機に異常が起きる際の特徴として▽スイッチを入れても羽根が回らない▽羽根が回っても不規則な回転となる▽羽根の回転時に異常な音や振動がある▽モーターが異常に熱くなる−などを挙げている。