米国の水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」が、建造から70年を迎えた。船を保存・公開している都立第五福竜丸展示館(江東区夢の島2)は、大型木造船としての産業文化的な価値も知ってもらおうと、23日午後2時から、第五福竜丸の改修に携わった船大工らが技を披露するなどの特別イベントを開く。

 第五福竜丸は1954年、遠洋漁業中にマーシャル諸島ビキニ環礁で米国が行った水爆実験に遭遇。全国に反核運動が広がるきっかけとなった。船体は政府が引き取り、2年後、改修されて旧東京水産大の練習船「はやぶさ丸」として、廃船まで使用された。

 イベントには、はやぶさ丸への改修を請け負った三重県伊勢市の強力(ごうりき)造船所(当時)の関係者が参加。設計図面を引いた木村九一さん(85)が、木材を削る「チョウナ削り」や板をつなぐ特殊な「落としクギ」など船大工の技を実演する。造船所の元工場長らは、被ばくの記憶も生々しかった当時の状況、改修を引き受けた時の思いなどを語る。

 第五福竜丸は、約140トン、全長約30メートル。木造船の寿命は約20年といわれ、現存する大型木造船としても貴重な存在となっている。同館では、同規模の木造船の造船過程や骨格模型などを紹介する展示も10月9日まで行っている。

 入館無料。申し込み不要。問い合わせは、展示館=電03(3521)8494=へ。 (柏崎智子)