国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に昨年登録された「烏山の山あげ行事」を含む「山あげ祭」が二十一日、那須烏山市で始まった。登録後初めての開催に多くの見物客が訪れ、野外での豪華絢爛(けんらん)な歌舞伎舞踊を堪能した。二十三日まで。

 山あげ行事は約四百五十年の歴史がある。祭礼の奉納余興として発展してきた歌舞伎舞踊は、地元産の和紙を竹の骨組みに貼り合わせた舞台を背景に披露される。舞台背景は「山」と呼ばれ、奥行きが百メートルほどもあり、場面に合わせて次々と展開されていく。

 見物客は舞台が設置されていくところから見ようと周囲で待機し、開演を待った。披露された演目「戻橋(もどりばし)」は、渡辺綱(わたなべのつな)が橋で美女と出会うところから始まる。橋を渡ると水面に恐ろしい鬼女が映ったことから、渡辺綱は美女の本性が鬼女であることを見破り、退治する話。鬼女に姿を変えての大立ち回りは迫力満点で、背景の山も雷に変化した。終演すると、見物客から盛大な拍手が送られた。

 二十二、二十三両日も市内でさまざまな演目が披露される。二十二日午後三時からは遺産登録を記念して地元六町の「大屋台」が勢ぞろいし、パレードが行われる。 (猪飼なつみ)