子宮頸(けい)がんのワクチンを接種した若い女性が痛みなどの副作用を訴えている問題で、安中市が市内で接種した当時十代だった女性一人に見舞金三十万円を支給する手続きを進めていることが二十一日、分かった。市は四月から太田市と同時に県内で初めて見舞金の支給制度を開始しており、両市で最初の受給者となる見通し。 (菅原洋)

 安中市によると、女性は二〇一一年七月から一二年一月にかけ、ワクチンを必要な三回接種した。しかし、その後に体調不良となり、診察した医師がワクチンとの因果関係を疑い、重篤な症状にあると国へ報告した。安中市の制度は、市が公費で実施したワクチンを接種し、医師が重篤な副作用の疑いがあると診断したことが条件。

 市内では、他にもう一人が重篤な被害を訴えているが、自費で接種したため、対象外となる。重篤ではないが、被害を訴えている女性も一人いるという。

 この問題では、体調不良の女性が県内の医療機関を受診しても原因が分からず、県外各地の専門機関を回るケースが多い。

 安中市は「見舞金は医療費だけではなく、遠隔地への通院費用などに幅広く充ててほしい」と制度の狙いを説明している。

 副作用を訴える女性への見舞金は太田市も一人二十万円で始めたが、これまで申請はない。同市は支給に当たり、症状が重篤であるかは求めていない。

 伊勢崎市は昨年七月、副作用を訴える女性に医療費の自己負担分と医療手当を助成する制度を始め、一人が受給している。

 ワクチンは一〇年に公費助成が始まり、一三年四月に女子中学生を中心に定期接種となった。しかし、副作用の訴えが相次ぎ、国は同年六月から積極的に接種を勧めていない。

 国はワクチンについて「がんの原因となるウイルスへの感染などを予防する効果はあるが、がんそのものを予防する効果はまだ証明されていない」との見解を示している。

 県によると、県内では今年六月末現在で接種当時に十二〜二十歳だった三十四人から関節痛や頭痛など副作用の訴えがあり、うち十九人が重篤と診断された。

 一方、全国各地では、副作用を訴える女性たちが国と製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟を各地裁へ起こし、東京地裁では県内の原告も争っている。