認知症で徘徊(はいかい)し、行方知れずとなった高齢者の早期発見につなげようと、柏市は専用のステッカーと、スマートフォンアプリを使った捜索支援の取り組みに乗り出した。認知症の高齢者らを皆で見守る地域づくりを進めたいという。 (堀場達)

 一般社団法人のセーフティネットリンケージ(札幌市)が開発したステッカー利用システムとアプリを導入し、今月に運用を始めた。

 ステッカーは、縦二センチ、横四センチの布製シールで、徘徊が心配される高齢者らの服、持ち物に縫い付けたり、貼り付けたりする。シールには十桁のIDと、フリーダイヤル番号を記載。徘徊者を見つけた人がフリーダイヤルに電話し、自動音声に従ってID番号を入力すると、徘徊者の家族と連絡が取れる仕組みだ。

 本人の名前や、家族の電話番号を書き入れた名札では、犯罪に悪用される恐れがあり、不安解消の効果が期待できるという。システムを使う場合、利用者は年間三千六百円を支払い、ステッカー四十八枚を受け取る。初期費用の二千円は市が負担する。

 一方、アプリはステッカーと連動。高齢者らが行方不明になった際、家族がアプリを通して、容姿や服装、IDなどを発信すると、このアプリをダウンロードしている「捜索協力者」に詳細情報が届く。

 同市では四月から六月末までに十件の徘徊捜索依頼があった。市の担当者は「取り組みが周知されれば、アプリのダウンロード数が増え、捜索協力の範囲が広がる」としている。