二〇一五年の公職選挙法改正で投票権年齢が「十八歳以上」に引き下げられ、昨年七月の参院選で十代の有権者が、国政選で初めて投票してから一年が過ぎた。三月の知事選の年代別の投票率では、十八、十九歳の投票率は28%台。二十〜二十九歳は20%を下回り、低投票率が目立った。若者の投票率アップに向けた課題を探った。 (中山岳)

 「知事選や千葉市長選の投票率、低いね…」

 「政策の選択肢が少ないことが、低投票率につながっているのかな?」

 若者の投票率向上を目指すNPO法人「ドットジェイピー」千葉支部が六月下旬、柏市で開いたイベントでは、大学生たちが知事選や千葉市長選などの選挙結果を新聞で見比べながら、意見を交わした。

 参院選や知事選で投票した昭和女子大二年の南恵里佳さん(19)=野田市=は「どの選挙でも、自分の考えと、訴える政策が全て一致する候補者は、なかなかいなかった」と振り返る。

 参院選や知事選などの候補者は選挙戦で、給付型奨学金や雇用対策など、若者を意識した政策を訴えた。だが、南さんは「高齢者向けの政策が、まだ多い。若者向けの政策をもっと示してほしかった」と話す。

 知事選の年代別の投票率を分析すると、十八、十九歳の投票率は28・94%。これに対し、二十〜二十四歳は18・28%、二十五〜二十九歳は18・94%にとどまった。今年投開票された浦安、千葉、船橋など六市の首長選のうち五市でも、二十代の投票率が、十八、十九歳よりも低い傾向がみられた。

 ドットジェイピー千葉支部代表で千葉大三年の植木陽平さん(21)は「政治が『自分事』でない若者は、まだ多い。選挙の争点や政策を自分で考える機会を増やせば、面白くなるはず」と話す。

 千葉大大学院人文社会科学研究科の関谷昇教授(政治学)は「高校で選挙や政治を学ぶ機会は増えたが、卒業後、多くの若者は政治に触れる機会が減る。低投票率の背景に、十代と二十代の間で『断絶』がある」と指摘する。

 関谷教授は、若者と政治の距離を縮めるために、例えば市民団体や商工関係の団体が、若者と対話する機会を設けることを提案する。「機会があれば若者は意見を言い、政治に関心を示す。地域でいろいろな世代と対話するような場が必要だ」と話している。