本紙読者の中島ナオさん(35)=横浜市=が考案した髪がない人でもおしゃれにかぶれる「ヘッドウエア」。その考え方を生かし、杉野服飾大(品川区)の学生たちが卒業制作で帽子を作ることになった。同大で24日にあった企画発表会には中島さんも参加し、学生たちに助言した。 (奥野斐)

 乳がんで、週一回の抗がん剤治療を続ける中島さんは、脱毛した頭をカバーしながら素肌に心地よいコットン毛糸で編んだヘッドウエアを自ら作り、日ごろから使っている。今春、服飾の催し会場を訪れ、出展していた同大関係者にヘッドウエアについて話したところ、大学側から「卒業制作の課題に」と持ち掛けられた。

 今月上旬、中島さんは同大ファッションプロダクトデザインコースの授業に参加。四年生ら約二十人に、がん発覚時の心境や、薬の副作用による脱毛の悩み、解決のためのヘッドウエアの可能性を語った。

 中島さんの経験や思いを踏まえ、学生たちは帽子のデザインを考え、二十四日の企画発表会に臨んだ。肌触りがよい綿素材を使ったり、ツバを広めにして後頭部が隠れるように工夫したりした帽子を提案。リボンを付け外しできる子ども用や、シンプルな男性用を考えた人もいた。中島さんは「室内でもかぶれるようなアレンジがあるといい」「汚れなどメンテナンス面も気になる」などと一人一人に感想を伝えた。

 主任教授の肉丸(にくまる)美香子さんは「人のためにデザインする経験が、学生たちの役に立つと思う」と期待。中島さんは「がん患者や子どもなど周りの人に話を聞いた結果を踏まえた、実感が伴う提案が多かった。完成が楽しみ」と話した。学生たちは今後、実物を制作し、来年二月に発表する。