戦時中、落語家たちが自粛を余儀なくされた「禁演落語」を聞く寄席が三十日午後一時半から、松戸市のまつど市民活動サポートセンターである。市民団体「松戸九条の会ありのみ」が、市民が自由に笑うことすらできなくなる戦争と平和の尊さについて、現在と照らし合わせて考えてもらおうと企画した。

 日米開戦が近づく中、当時の落語界は、遊郭や酒などにまつわる五十三話を、時局にそぐわない禁演落語として自粛。一九四一年十月、東京都台東区の本法寺に「はなし塚」を建立し、台本を納めた。国家総動員法などで政府が統制を強化していたためで、戦後の四六年秋、落語家たちは禁演落語を解禁した。

 三十日の寄席では、柳家千寿さん(55)=鎌ケ谷市=が五十三話の中から、人情噺(にんじょうばなし)の名作で、親子や夫婦の情愛を題材にした「子別れ」を披露する。子別れは、遊女にうつつを抜かした腕のいい大工と、愛想を尽かして家を出た妻と子との物語。

 千寿さんの父親は、東京大空襲の際、きょうだい五人で必死に逃げ、見知らぬ男性から大きなにぎり飯をもらい命を永らえたといい、今でも「戦争は絶対にいけない」と、千寿さんたち家族に話している。千寿さんは「私も父親と同じで戦争は絶対反対。落語の人情噺もできなくなる戦争について考えてもらえれば」と話している。

 参加費五百円。高校生以下無料。予約不要。問い合わせは同会の佐藤幸夫さん=電080(1317)4407=へ。(飯田克志)