戦時中、東京音楽学校(現東京芸術大)から学徒出陣し、命を落とした学生たちがのこした作品の演奏会「戦没学生のメッセージ」が三十日午後二時から、台東区の芸大奏楽堂で開かれる。

 演奏されるのは、終戦直前に訓練死した鬼頭恭一さん=名古屋市出身、享年二十三歳=の歌曲「雨」、終戦直後にフィリピン・ルソン島で自決した村野弘二さん=神戸市出身、享年二十二歳=のオペラ「白狐」(部分)など、戦没学生四人の手による十四曲。鬼頭さんや村野さんの音楽学校での同期で作曲家の大中恩(おおなかめぐみ)さん(93)もゲストとして登壇する予定。

 戦没学生の音楽作品はこれまで調査が遅れていた。戦後七十年の一昨年、鬼頭さんら戦没学生の作品を遺族が保管していることを本紙などが報じ、それをきっかけに調査が本格化した。芸大演奏芸術センターの大石泰教授は「戦没学生の作品に光を当てるのは、学生を戦争に送り出してしまった学校側の責務。戦争を知らない若い人たちにもぜひ聴いてほしい」と語る。演奏会は入場料二千円。問い合わせは、平日午前十時〜午後六時にヴォートル・チケットセンター=電03(5355)1280=へ。 (樋口薫)