太平洋戦争末期、旧東京都立(現千代田区立)日比谷図書館の蔵書を戦禍から守るために人力で移動させた人々の姿に迫るドキュメンタリー映画「疎開した40万冊の図書」の上映会が八月六日、新座市立中央図書館(同市野火止一)で開かれる。リュックや大八車に載せられて志紀町(現在の志木市)などへ運ばれて難を逃れた図書の物語を通じ、戦争の悲惨さを考える。入場無料。

 上映会は終戦月に合わせ、平和の大切さ、活字に親しむ時間を持てるありがたさを再認識するために企画された。

 上映作品は二〇一三年、金高謙二監督の同名の原作本を元に制作された。

 戦局が悪化した一九四四年、日比谷図書館の中田邦造館長(当時)は、蔵書二十六万冊の一部を疎開させることを検討。しかし運搬の人手を戦地に取られていたため、都立一中(現都立日比谷高)の生徒二十六人を動員して、貴重本として民間から買い上げた本と蔵書計四十万冊を、志紀町や東京・多西(たさい)村(現在のあきる野市)の蔵などへ運び出したという。

 日比谷図書館は四五年五月の空襲により、残された蔵書二十万冊以上とともに炎に包まれた。

 映画では、当時の一中生徒や、蔵書を収容した土蔵所有者の子孫のほか、作家の阿刀田高さん、早乙女勝元さんらの証言により、一般に知られていなかった真実をひもといていく。ナレーションは俳優の長塚京三さんが務める。

 上映会は六日午後二時から(同一時四十分開場)。定員三十人で先着順。問い合わせは中央図書館=電048(481)1115=へ。 (加藤木信夫)