三連覇というよりも、リベンジ。3点リードの七回、マウンドに立ったエースの心境は、浦和学院相手に燃えていた。

 昨秋、今春の県大会ではいずれも決勝で浦和学院に僅差負けした。その宿敵と夏の大会史上初めて、決勝の場で戦う。燃えないわけがない。

 しかし闘志の一方で、冷静に勝利へのプランを考えた。互いの手の内を知り尽くしているだけに、140キロを超える直球の球筋にも慣れられている。どうするか−。

 「直球と遅い変化球の組み合わせが効く」。女房役の須永光捕手(三年)と練ってきた作戦を実行した。試合前のブルペンで、「今日は調子がいい」と須永捕手から太鼓判を押されたカーブを投球の軸にした。

 カウントを整えるにも、決め球にもカーブ。キレのいい直球との緩急差に、強打の相手打線がほんろうされ、九回2死まであっという間にたどり着いた。気づくと、綱脇慧投手(同)からマウンドを引き継いで以降、一人の走者も出さないパーフェクトピッチ。

 最後の一人を外角の直球で遊ゴロに仕留めると、右拳を握り勝利の喜びをかみしめた。バックスクリーンに向かってほえた。マウンドに駆け寄ってくる仲間たち。もみくちゃになりながら、天に指を突きつけて喜びを分かち合った。

 宿敵を倒してつかんだ甲子園への切符。「やっとリベンジを果たすことができた。次は日本一を目指します」。 (牧野新)