六回表、5点を取って1点差まで追い上げ、さらに2死満塁。一気に試合の流れを決められるチャンスで打席が回ってきたが、結果は三塁ゴロ。「力んだ。気持ちで負けた」と言葉少なに語った。

 レギュラーとして公式戦に臨んだのは昨秋の都大会から。昨夏はベンチ入りすらできず、この日の試合をスタンドから見守った父の大輔さん(48)は「悔し涙を流していた」と振り返る。

 秋の大会も1回戦で二松学舎大付に11−0でコールド負けを喫し、「打たないと勝てない」と力不足を痛感。白飯を一日七合食べて体重を増やし、グラウンド整備用の「トンボ」で素振りしたり、重りが入った球を打ち込んだりして力をつけた。

 その成果が出て今大会は大当たり。準々決勝までに2本の本塁打を放ち、この日も本塁打と二塁打を含む5打数4安打。田中吉樹監督から教えられた「打つのではなく振る」ことを意識した豪快なスイングを見せたがあと一歩、届かなかった。「監督を甲子園へ連れていく思いは、後輩に継いでほしい」と願った。 (増井のぞみ)