J1リーグは7月9日に第18節を終え、12日の天皇杯3回戦の後、2週間のサマーブレークに入った。

 そんな中で、浦和レッズはビッグクラブの宿命とでもいうべきか、リーグ戦が続いているようなスケジュール。15日に「Jリーグワールドチャレンジ」としてドイツの強豪ドルトムントと対戦。さらに22日、昨年のルヴァンカップ優勝チームとしてスルガ銀行チャンピオンシップ(8月15日)を戦うために前倒しされたJ1第22節セレッソ大阪戦をこなさなければならなかった。

 しかも、ドルトムント戦は3点、セレッソ戦では4点を失っていずれも敗戦。中断前の7月初旬、ふがいない戦いぶりにサポーターがペトロビッチ監督に怒りをぶつけた時は、新潟戦(9日)と天皇杯の熊本戦(12日)を苦戦しながらも何とか勝って切り抜けたが、またもやチームは危機的な局面を迎えている。再浮上のカギは守備組織の立て直しとコンディションの見極めだろう。

 一方、大宮アルディージャは天皇杯で愛媛FCを退けた後、2日のオフをはさんで群馬・嬬恋でキャンプを張り、トレーニングを重ねた。

 成績不振で5月末に渋谷洋樹前監督を解任し、コーチだった伊藤彰現監督を後任に据えてからチームは立ち直りを見せ、以後のリーグ戦は2勝2分け1敗。最下位を脱出し、残留圏まであと一歩に迫っている。

 伊藤監督はそれまでのスタイルを一新し、よりボールを支配して確実にパスをつなぐサッカーに転換した。短期間の改革とは思えないほどこれがフィットして、それまで13試合で7点にとどまっていた得点は監督交代後の5試合で9点に。

 特に4−3−3としたシステムで前線の中央に入った江坂任(あたる)が、ポジションにとらわれない自由な動きを許されて持ち味を発揮し、5試合で5得点と活躍。今年清水エスパルスから移籍し、新天地での役割に戸惑っていた大前元紀も、左サイドでスタートしながら江坂との連係で得点に絡めるようになり、相乗効果を生んでいる。

 さらに中盤の底に入った若い大山啓輔がパスワークの軸となり、全体のバランスを整える重要な役割をよくこなしている。

 チームは今月の中断期間中に、韓国の済州からFWマルセロ、ポルトガルのチームからMFカウエという二人のブラジル人を獲得し、ムルジャ、ペチュニクを放出した。新戦力の二人は能力はあるが、ここまでうまく回ってきた布陣のどこに入れるのか、またそれが機能するかどうか。さらに、これまで比較的下位チームとの対戦が多く、ある程度ボールを支配できたが、上位相手でどうなるか。

 いずれにせよ、新たな見どころと不安を抱える両チームが直接ぶつかる「さいたまダービー」が、8月5日に行われる。双方のサポーターならずとも興味は尽きない。 (サッカージャーナリスト)