鳩山町の中央部にある町の特産品販売施設「鳩豆工房 旬の花」は特産の大豆を練り込んだ「鳩豆うどん」が人気だ。

 もともと日本料理店だった建物を一九九六年に町が買い取り、二〇〇四年四月、リニューアルオープンした。大豆を使ったメニューや菓子を手作り販売しているのは、地元の女性たちでつくる「美味(あじ)の会」のメンバー十五人。「(一三年に)関越自動車道坂戸西スマートインターが開通してからは、他県ナンバーの車が多くなりました。みなさんインターネットのグルメサイトを調べてくるようです」と会長の工藤光子さん(62)。うどん以外のまんじゅう、おやきなどもメンバーが手作りしている。

 美味の会の一日は、朝六時に始まる。まんじゅうやうどんセットに付く赤飯を作るためだ。うどんはもちろん手打ち。かしわ餅などの季節商品も作る。アンコまで手作りと聞くと、そこまでやるのかと驚く。「手間ひまを惜しまずにやるのが会のモットーですから」と工藤さんはこともなげに言う。

 週末は八十〜九十人の利用者が来て、お昼時は息つくひまもない。うどんをゆでる大釜は一つなので、七〜八分かかる。混雑時には注文を受けてから十五分ぐらいかかることもある。「怒るお客さんもいますが、『アットホームでのんびりできる』と言ってくれるお客さんが多いです。添加物を使わないので、自然志向の若いお母さんたちも来てくれます」という。

 国産小麦と黒豆を使う「鳩豆うどん」はもちもちした食感が特徴だ。メンバーの小川真理子さん(59)が会長だったとき、発芽した黒豆を使うようにした。そうすることで、ストレス軽減効果が注目されているGABA(ガンマ−アミノ酪酸)が大幅に増えるという。もともと黒豆に多い抗酸化物質・アントシアニンも含まれる健康食品だ。

 一五年に町と女子栄養大学が連携協定を結んでからは、栄養バランスに配慮した新メニューも生まれた。今年の新メニューは夏季限定の「汁なしネバまぜうどん」(八百円)で、九月まで提供している。

 店での販売だけでなく、町や近隣市町のイベントに年十一回も出店する。さらに週一回、独居高齢者約四十人に手作り弁当を届ける配食サービスも手分けして行う。

 メンバーは五十代から七十代。「若い人が入ってきても、時給が安いこともあって辞めてしまう。皆好きだからやっている」。町の特産品PRから福祉まで担う女性たちの奮闘は続く。 (中里宏)

 くどう・みつこ 1954年、鳩山町の農家に生まれる。高校卒業後、鳩山町役場に就職。5年間勤め、出産のために退職してから専業主婦。2005年、子どものころから身に付いていた手打ちうどんの技術で「役に立てる」と美味の会に入会した。「鳩豆工房 旬の花」=電049(296)1551=は木曜定休。