宇都宮市出身で太平洋戦争時、沖縄県警察部長として県民の疎開などに尽力し殉死した荒井退造氏を紹介する企画展「沖縄の島守(しまもり)と呼ばれた荒井退造と島田叡(あきら)」が、市立南図書館(雀宮町)で開かれている。三十日、ノンフィクション作家の田村洋三さんが講演し「荒井さんは赤痢に苦しみながらも命をかけて公職に殉じた。誇りをもって後世に伝えていただきたい」と強調した。 (北浜修)

 荒井氏は一九〇〇(明治三十三)年生まれ。旧制宇都宮中学校(現宇都宮高校)、明治大を経て、内務省官僚となった。戦時下の四三(昭和十八)年、沖縄県警察部長(現在の県警本部長に相当)に就任。兵庫県出身の島田叡知事とともに、沖縄県民のために食糧を調達し、県外や本島北部へ疎開させた。四五年三月、米軍が沖縄に上陸後、二人は六月、本島南部で消息を絶ち、遺体なども発見されないまま現在に至る。二人により命を救われた県民は二十万人以上ともいわれ、沖縄では「島守」と呼ばれている。

 企画展は宇都宮市のNPO法人「菜の花街道」が主催。同館一階で、荒井氏の生涯を紹介するパネルや資料、写真、書籍など約三十点を展示している。

 同法人理事の工藤政美さん(47)は「戦争と平和について考える機会の多い夏に、荒井氏を通して、命の尊さや戦争の悲惨さを思うきっかけにしてもらえれば」と訴えている。

 企画展は八月二十七日まで。入場無料。月曜休館。