横浜市長選から一夜明けた31日、3選を果たした林文子さん(71)は当選証書を受け取り、公務に向けて気を引き締めた。林さんには多くの課題が待ち受ける。特にカジノ誘致の是非では、共同通信の出口調査で反対が6割を超えた。林さんは「市民の声を聞いて判断する」としているが、引き続き慎重な市政運営が求められる。また、投開票事務でミスが相次いだとして、横浜市選挙管理委員会が謝罪する事態となった。

 横浜市長選で共同通信社が実施した出口調査によると、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の誘致は反対が61・5%となり、賛成の16・3%を大きく上回った。ただ、反対派票は当選した現職林文子さんと誘致に反対した新人二人が分け合い、誘致の是非は争点とならなかった形だ。「分からない」は19・6%だった。

 一方、二期八年の林市政について、「大いに評価する」「まあまあ評価する」を合わせ、71・2%に上った。誘致の是非の明言を避けた林陣営が争点化を回避し、事実上の信任投票に持ち込んだと言えそうだ。

 出口調査で「誘致すべきではない」と答えた有権者の投票先の内訳は林さんが35・5%、伊藤大貴さん32・9%、長島一由さん31・6%だった。「誘致すべきだ」と回答した人の85・1%、「分からない」の75・1%はそれぞれ林さんに投票し、二人を引き離した。

 林さんは一時、誘致に前向きな姿勢を示したが「白紙」と軌道修正。公約集には「導入検討」と再び踏み込んだものの、選挙中、街頭演説では賛否に触れなかった。

 一方、長島さんと伊藤さんが選挙公約で導入を訴えた公立中の給食については、64・4%が「実施するべき」と回答。このうち、林さんに47・0%、伊藤さんに29・4%、長島さんに23・6%がそれぞれ投票した。

 横浜市内の投票所三十六カ所で調査し、投票を終えた有権者二千二百二十七人から回答を得た。

◆カジノ誘致問題「市民の声聞く」 林さんに当選証書

 横浜市役所で市選管の大久保純男委員長から当選証書を受け取った林さんは「大変身の引き締まる思い。三期目は市民のために最善を尽くす」と抱負を述べた。

 カジノ誘致への姿勢を報道陣から改めて問われた林さんは、出口調査で「誘致反対」が多数だったことを「承知している」とした上で「市民の声をよく聞いて、横浜にとって一番いい方法を採りたい」と述べた。誘致の可否を決断する基準も「白紙」としている。

 他候補に二倍以上の大差をつけて当選したとはいえ、林さんの得票率は53・13%。半数弱は他候補に投票している。林さんは「今回はカジノに論点が絞られていた。民主主義としてはバランスが取れていたのではないか。私に投票しなかったからと言って、私の政策全てがノーというわけではないと思う。丁寧に説明して、理解を求めて市政を進めていく」と話した。

◇確定得票 

当598,115 林文子 無 現<3>

 269,897 長島一由 無 新 

 257,665 伊藤大貴 無 新 

◆市議緑区補選は宮崎さん初当選

 三十日投開票された横浜市議緑区補選(被選挙数一)は、諸派新人の宮崎悠輔さん(31)=民進推薦=が、自民新人の樗木彰(おてきあきら)さん(49)を破り初当選した。

 宮崎さんは三十一日、取材に「カジノ誘致反対と中学校給食実現を訴えて戦った。特に給食は有権者の関心も高かったと思う」と勝因を述べた。

 補選は、民進市議で市長選に出馬した伊藤大貴(ひろたか)さん(39)の辞職に伴い行われたが、党としては宮崎さんを公認していない。市議団に入ってもらうかは、県連で協議し、八月中に決める。

 一方、樗木さんの落選について、自民党横浜市連の横山正人幹事長は「(反自民が強まる)国政の影響で、逆風をもろに受けた。地方政治を語る選挙戦にならなかった」と振り返った。

◇横浜市議緑区補選 確定得票

(被選挙数1−候補2) 当34,925 宮崎悠輔 諸新 =民

 18,962 樗木彰 自新

    ◇

宮崎悠輔(みやざきゆうすけ) 31 諸新<1>

  衆院議員秘書(元)会社員▽明大