印西市の老人ホームの睡眠導入剤混入事件で、准看護師波田野愛子容疑者(71)が一日、二月に交通事故で死亡した同僚の山岡恵子さん=当時(60)=への殺人容疑などで再逮捕された。事件発覚後、職員たちは入所者の家族らの問い合わせなどの対応に追われ、事件の全容解明を望む声が上がっている。 (中山岳、黒籔香織)

 施設では、二月ごろから山岡さんの他、職員五人が目まいやふらつきなどを訴えていた。波田野容疑者が六月に三十代の女性職員に対する傷害容疑で逮捕されて以降、体調不良を訴える職員はいなくなった。施設の入所者約五十人には、これまで、体調不良になった人は確認されていない。

 施設によると、事件発覚後、入所者の家族らからの問い合わせが増えたが、入所者に被害がないことを説明し、これまで転居を希望する人はいないという。施設側は今月十一日、入所者の家族に、事件について説明会を開く予定。

 施設長の寺田洋介さん(44)は「職員や家族が巻き込まれており、小さな話では済まない」と話す。一方、波田野容疑者について「私自身に被害はなく、仲の良い職員と思っていた。看護師として他の職員たちへの面倒見も良かったのに…」とやり切れない表情を見せた。

 三十代の女性職員は五月〜六月に五回、体調不良になり、波田野容疑者から介抱を受け「疲れているのよ」と言われたという。「全く疑っていなかった。他の職員の人たちも具合が悪くなっており、捜査で明らかにしてほしい」と話した。

 別の女性職員(51)は「(波田野容疑者は)入所者に優しく接していて、今も『まさかあの人が』という思い。なぜこんなことをしたか、明らかにしてほしい」と話した。