医療や介護、福祉を一連のサービスとして考え、連携や質の向上を研究する「ヘルスサービス開発研究センター」が、筑波大学(つくば市)に設置された。高齢化社会への対策で、自治体や民間業者へのサービス向上策の提言を目指す。筑波大によると「ヘルスサービスリサーチ」と呼ばれる分野の専門研究拠点は、国内で初めてという。(宮本隆康)

 筑波大によると、ヘルスサービスリサーチは、医療や看護、保健、福祉、介護を一つの健康関連のサービスとしてとらえ、データに基づき最適な提供体制を図る。欧米では研究分野として確立し、国立研究所や専門学術誌も多いという。

 日本では、二〇〇七年に政府の規制改革会議の答申で「世界的に注目されているにもかかわらず、研究体制、データ利用の環境整備など、いまだ不十分」とされ、国として初めて明文化された。

 国内では、医療や福祉など、分野ごとの調査が主になっているという。筑波大の研究センターでは、診療を終えた後の高齢者の介護状態、家族を介護する人の健康状態など、医療や介護を一体的に調べる。

 調査では、国の医療介護レセプト(診療報酬明細書)など、ビッグデータを利用する。要介護度が悪化しない施設、自治体ごとの在宅ケア利用率などの特徴を分析。自治体に効果的な医療介護政策を提言したり、介護施設にサービス向上策を提案したりする。

 センター長に就任した田宮菜奈子・医学医療系教授は「例えば、退院後の効果的なケアが分かれば、再入院が避けられるかもしれない。急激な高齢化が進む日本から、海外も学びたがっている。世界的にもニーズは大きい」と話している。