7月の都議選では、定数127のうち4割の54人が新人議員となり、新旧交代が進んだ。最大会派が自民党から都民ファーストの会になるなど、勢力図も大きく変わった。選良たちはどのような心構えで議会に臨むのか。主要5会派の新人6人に聞いた。

◆都政変える良い環境

 都民・鈴木邦和(すずきくにかず)さん 28歳 武蔵野市選出

 −立候補した理由は。

 日本の地方議員は海外に比べて権限は大きいが、生かせていない。四年に一度の選挙だけでなく、ITを使って日々の政策決定に都民が関われる仕組みを作りたいと思い、インターネットサイト「日本政治ドットコム」の運営会社を起業。より政治に深く関わろうと思った。

 −選挙に出てどう感じたか。

 おじぎをしたり、握手をしたり、初めは抵抗があった。だが、有権者が感覚的にいいか悪いかを判断するのは妥当かも、とも感じた。

 −自民党の新人都議に思うことは。

 相手が自民だからとか、全く気にしない。それぞれが民意を代表しており、お互いにリスペクト(尊敬)がないとダメ。主義主張や党派が違っても、感情的ではなく、しっかりと議論していきたい。

 −これまでの最大会派と違う強みは。

 自民は、顔の見える範囲で働いていた印象。予算審議を利権に集約させていくのではなく、都民千三百七十万人のために(予算を)使える議会に変えたい。

 −抱負は。

 知事が改革派で、都議会も公明党と合わせて過半数を占めている。こんなに良い環境はなく、これで都政を変えられなければ、都民ファーストの力不足だと思っていただいていい。 (聞き手・木原育子)

◆現場主義は変わらず

 自民・伊藤祥広(いとうしょうこう)さん 48歳 八王子市選出

 −なぜ政治家に。

 教師を目指したが、その前に社会勉強したいと思い、学生時代から都議の秘書を始めた。そのままのめり込み、秘書を十年、八王子市議を十四年務めた。秘書時代の「器用でなくても一生懸命、心を込めて仕事をしなさい」との教えは今も指針となっている。

 −自民は第三会派になった。

 私たちの仕事は、都民の代弁者として、その声を都政に反映させることだと考えている。最大会派でなくなっても、やることは変わらない。落選で涙をのんだ仲間の思いも背負って働きたい。

 −小池知事へのスタンスは。

 出身が別の党であれば意見の違いも大きいかもしれないが、知事はもともと自民。しかし、豊洲市場への移転問題などでは異論がある。都民の声を反映していけば、結果的に是々非々になるのではないか。

 知事は実質的に都民ファーストの党首のようなもの。知事と議会の「二元代表制」を考えると、自民の存在感は増すはずだ。

 −都民ファーストの新人議員に負けない売りは。

 何とも言えないが、八王子で生まれ育ち、政治の世界に入ってからは毎日、地道に市民と交流してきた。都民の生の声を聞く「現場主義」を大事にしたいと思っている。(聞き手・内田淳二)

◆最大会派の入れ替わり

<メモ> 議会では、所属政党とは別に、活動をともにするグループの「会派」をつくる。最大会派は、改選前の自民から、小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファーストの会となり、自民は初めて第三会派に転落した。小池知事の支持勢力は、第二会派の公明党などと合わせ79議席となり、定数127の過半数を大幅に超える。最大会派は議長のほか、各委員会の委員長ポストも多く占めるなど、議会運営で各会派との調整役を担う。